ウィキメディア財団 年次計画
ウィキメディア財団年次計画は、ウィキメディア財団の各年度の業務記録の計画です。ウィキメディア財団の会計年度(7月1日に始まり翌年6月30日に終わる)に合わせて予定されています。計画の作成は、Annual PlanningプロセスまたはAPPと呼ばれることもあります。
過年度の年次計画
- 2024-25年予算案 (現予算年度)
- 2023-24年予算案
- 2022-23年予算案
- 中期計画 (2019-202x)
- 2019-2020 予算案:総論 | 概要
- 2020-2021 予算案
- 2021-2022 予算案 | 年次末報告 2022
- 2018-19 予算案 (ウィキで公開) | 草案 | 中間評価
- 2017-18 Plan (ウィキで公開) | 草案: 第1稿 | 中間評価
- 2016-17 予算案 (ウィキで公開) | 草案: 第1稿 - 第2稿 | 中間評価
- 2015-16 予算案 (PDF) | メタに公開 | よくある質問 | 草案draft
- 2014-15 予算案 (PDF) | メタに公開 | よくある質問
- 2013-14 予算案 (PDF) | メタに公開 | よくある質問
- 2012-13 予算案 (PDF) | よくある質問
- 2011-12 予算案 (PDF) | よくある質問
よくある質問(FAQ)
- 年次計画って何?
- 組織にとって年次計画とは、次年度の達成目標を示した高いレベルのロードマップです。通常、ウィキメディア運動と共同で作成した望ましい結果のまとめであり、主な優先事項、資源割り当てのニーズ、複数年を費やす課題やウィキメディア運動の戦略方向性など、さらに広い枠組みに適合させます。
- ウィキメディア財団の年次計画の目的は方向性の指針提供にあり、プロジェクトの企画立案をする管理者やチームは、その年度にどんな作業をするか見通しを立てます。単に、1年をかけて進行する技術プロジェクトの一覧表ではありません。年次計画には優先事項と高レベルの仮説を含めて、調査研究と設計、テストおよび異なる戦略を展開するチームを導きます。その主な観衆とは財団の各部門や担当チームおよび個々の職員であり、計画の語調や用語や構成には当該年を通じた作業をどう進めるか反映してあります。計画の立案は共同作業で、年度初めに草案、ついで最終版を公開して、透明性の確保とウィキメディアンの皆さんからフィードバックを募集します。
- 年次計画の主な課題は?
- 2023-2024年度を皮切りに、財団は戦略方向性に根ざした主要な目標の4分野それぞれに専用の見出しを立てて公開し始めました(インフラ、公平性、安全と整合性、有効性。)また年次計画には、通常、当財団の運営や部門機能、予算や助成金交付、収益事業のパターンに関する情報とならんで、財団の業務に影響を与えるであろう主要な外部の傾向にも言及します。
- なぜ財団には年次計画が必要?
- ウィキメディア財団の職員にとって年次計画とは自分が日常に行う業務と、それぞれが私たちの使命とその拡大した視野や、私たちが世界から求められているもの、ウィキメディアの戦略的方向性のどれに対応するか、照合に役立ちます。草案の段階は財団の幹部にとって競合する優先事項を比較し検討し、統括するチームが次の年度に時間をどのように費やすべきか見通すこと、複雑に進化する読者や寄稿者や寄付者の需要ならびに私たちのプラットフォームのニーズに確実に応じるようにする時期です。あるいはまた、財団職員は前述の優先事項を感覚的にチェックして、ボランティアや提携団体や理事会、財団の各チームや部門など所属の壁を越え、利害関係者が相互に協力する方法を改善する機会にもなります。
- 年次計画の1年は何月から何月まで?
- ウィキメディア財団の会計年度は7月から翌6月までのサイクルです。会計年度(FY)2024-2025とは、2024年7月から翌2025年6月までという意味です。通常、業務はその年次内で3ヵ月単位つまり四半期に分けて追跡します。
- 年次計画書はどうやって書いているの?
- 手順は年ごとに多少の変化があり、ここ数年は進化と改善を続けて共同で計画立案をしています。
- FY 2024-2025の協議は話し合い:2024 - 世界中の財団職員や幹部、理事やウィキメディアンの皆さんとの会話 - から始まりました。年次計画の目標の下にどの優先事項を置くか決めるにつき、これらの会話で集めたフィードバックを波及させています。その「話し合い:2024」という企画後に製品技術部門の最高責任者のセレーナ・デッケルマンから財団発の招待状を公開し、来年度の製品と技術への取り組み目標についてオンウィキで提案を寄せるようにお願いしました。ここで言う目標設定が基盤にしたのは前述の「話し合い:2024」を通じた会話の継続であり、プラットフォームとオンライン貢献者のニーズにどうすれば継続して焦点を当てられるか、その重要性を強調しています。 製品部門と技術部門の主な成果を3月末に公表、そのフォローアップは2024年4月11日公表の年次計画全文版に示しました。
- 期間2ヵ月にご意見を広く受け付け、オンウィキで、またコミュニティ用のチャネルで、また対面型の協議など共同で作ったコミュニティ空間を使い、多くの言語で実施しました。ウィキメディアンの皆さんは予算案に関して、ご自分に関わる領域を受け止めて来年の自身の目標と照らし合わせました。他にもこの課題を自分の作業に持ち込んで考えている人たちがどれほど多いか知り、私たちはこの予算編成という過程を協働と学びの機会と捉え、他の人たちの作業をウィキメディア運動に存在する人もその他のパートナー先でも見出しました。編集履歴とフィードバックの要約に目を通してもらうとわかるかと思いますが - この期間に予算案に変更を重ねており、従来のとおり、今後の数週間のうちに皆さんがこの課題に関与した統計値や予算案の変更の流れについてお見せできると考えます。年次計画とはプロジェクトや技術的機能の羅列では終わらず、また年間を通して進化して行くものであり、予算編成の段階で始まった会話のいくつかは今後も生きて行くはずです。
- 年次計画にどの課題を組み込むか、決める要素とは?
- ウィキメディア財団の年次計画に含まれる要素はいくつかあります。「世界は私たちに何を求めているのか」と考えることから始めましょう。これは誤情報や偽情報が増え、人工知能が展開し、検索の傾向が変わるなどの世界的な傾向を観察し、世界の規制の移り変わりを見つめることを意味します。
- 次に考えるのは、「観衆は私たちに何を求めているのか」ということです。非常に基本的なレベルでは、その観衆に寄稿者、読者とその他のコンテンツを使う人、寄付者が含まれます。その観衆とは寄稿者、読者その他、自分の時間を使ってウィキメディアのプロジェクト群のコンテンツを伸展しまたは改善する人のことで、編輯者(経験レベルを問わない)、コンテンツをアップロードする人、ボランティアの開発者が含まれます。2番目のカテゴリとは、個人の読者から学術研究者、ウィキメディアのコンテンツを利用および再利用する大規模組織まで、あらゆる人々が含まれます。寄付者とは規模や方法を問わず、経済的支援をする人を指します。世界の傾向に関して注意を払うべきだと、年間を通じてウィキメディア運動から聞いたことを振り返ると、インフラとソフトウェアのニーズ、法律および規制上の課題、さらに私たちの共同作業について世界に知らせておくべきことです。
- 最後に、計画に含まれていない部分こそ年次計画の重要な部分です。財団職員と幹部は製品とプログラムの将来をめぐり、重要なトレードオフを比較検討する必要があります。その理由の1つは、例年、当財団の運営予算を引き上げるからです。本質的に、私たちはその年に集めた資金を支出するわけですが、それと並行して、集めた資金総額から少額を(予期せぬ出来事に備える)財政準備金および(より安定した長期収入のための)ウィキメディア基金にも当てます。私たちが能動的に計画できる部分とは、その年の予算と収益の予測、そしてどう取り組めば強固なプログラム経費率を維持できるかです。
- 私たちの年次予算の規模を考えると、人によっては支出のトレードオフという存在をありえないと思うでしょうが、それでも立案者である私たちは予算をどのように使って、自分たちが維持するべき技術インフラを支えるか、非常に現実的に考える必要があります。この観点から眺めると、ウィキメディア財団はユニークな存在です。非営利の予算で運営し広告も掲載せずデータの販売もしないのに、ウェブサイトのトラフィックやオンラインのフットプリント、多言語機能、データの再利用に関して、世界の主要な技術組織に同等の規模のところは他にありません。その結果、私たちが常に考える質問は「修正する必要があるのは何か?」ではなく、「今年はどんな機会や問題が最も重要で注目すべきか? 私たちが保持するリソースを使って、各チームはその分野に有意義な影響を与えることができるか?」
- その「OKR」とか「仮説」とか、どういう意味?
- この計画段階の用語は、FY 2023-2024年次計画書の作成段階から徐々に一貫して採用するようになり、今後とも見通せる範囲では使い続けるはずです。
- 戦略立案の優れた始まりとは、どんな影響もしくは変化をもたらしたいか - たとえばウィキメディアのコンテンツをより見つけやすくする、世界の一部ではページ読み込み時間を短縮する、新規利用者の定着率を上げたい、モデレーター(仲裁役)のワークフローを改善したり、または特定の種類の法的脅威からの保護などを意味します。これらを「目標」と呼び、つまり私たちが達成したい広範な影響をとらえた声明として表現します。
- 次のステップでは、これらの広範で野心的な目標の達成に役立つ測定可能な陳述を複数、特定します。これらを「主な成果」(KR)と呼び、高レベルの方法で目標達成の成功、不成功を測定できる値として示します。するとチームごとにそれにどう貢献できるか仮説を立て、KR ごとに達成を目指します。その仮説では、目標達成に欠かせない作業をこまかく考えます。これら仮説の情報は、各チームのプロジェクト・ページをご参照ください。
- まとめると、OKR は私たちの行動すべての記録が目的ではありません。ウィキメディア財団の職員なら年間を通じて、メンテナンス指向の多くのタスクに時間をかけ、商標とブランドの管理、ソフトウェアのメンテナンスとバグ修正、サイトの信頼性とセキュリティ、広報と評判の管理などに労力を費やしています。
- あれもこれも、曖昧すぎませんか?
- 年次計画には、その特定の会計年度に変更または達成したいことを広く反映しています。それら優先事項が定まると、財団の諸チームは1年を費やして変更を実現する方法を検討し、たとえば製品の新機能、データ・システム、技術面のワークフロー、法規対応の戦略、広報やお知らせのキャンペーン、コミュニティ対応のプログラムなどに取り組んで実装します。
- ウィキメディア財団は進捗状況と波及効果をどのように評価し発信するのですか?
- 年次計画に含まれる節で扱う指標は、計画の波及効果と進捗状況の測定に用います。この情報は定期的に公開しています。公式ブログ『ディフ』の投稿より過去の例は「ウィキメディア運動におけるつながりの強化」を、また2023-24年次計画の情報更新は同じく「Progress on the plan: How the Wikimedia Foundation has advanced on its Annual Plan goals」(計画の進捗状況:ウィキメディア財団は年次計画の目標をどのように進めているか)をご参照ください。
- 年次計画と年次報告書は同じものですか?
- 同じではありません。一方の年次計画は今後1年の間に予定される作業の計画文書です。この文書の主な観衆は職員とボランティア、寄付者、一般の閲覧者です。対する年次報告書は振り返りのための文書であり、目的は世界に対する私たちの影響を強調するもので、その主な観衆は寄付者と一般の人々です。
関連項目
- ウィキメディア財団の公式サイト
- メタウィキに置いたウィキメディア財団のページ
- 年次計画に照らした進捗状況
- マリアナ・イスカンダーの定例更新、ウィキメディア財団最高経営責任者
- デッケルマンの拝聴ツアー
- イスカンダー就任1年目の情報更新
- 年次計画を練るウィキメディア財団の製品部門、技術部門
- イスカンダーの情報更新 2024年2月
- ウィキペディア:世代を超える追求
- ウィキペディアを支える非営利組織の20年
- ウィキメディア財団組織統治ウィキには、公表済みの組織統治(ガバナンス)関連の素材をまとめてあり、具体的には法務関係と組織運営の方針、また文書類として理事会組織統治、ウィキメディア寄託金(Wikimedia Endowment)およびウィキメディア・エンタプライズ(収益事業)に関する文書類があります。