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はじめに |
創設者より |
報告 |
プロジェクト |
インタビュー |
メディア |
国際 |
あとがき |
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edit
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ジミー・ウェールズ 創設者 編集主任
原稿整理: Ruth Ifcher 翻訳 |
ウ ィキメディア財団のニュースレター創刊号をお届けします。このニュースレターでは、ウィキメディアで最近進行中の計画、理事会の意見や活動、そしてウィキメディアの創設者ジミー・ウェールズからの言葉などをご紹介します。また、委員会や支部からの最近の報告、コミュニティからの便り、また論説やインタビューによるオープン・コンテントや著作権、分散型研究において一線で活躍している人からの最新の話もご覧いただけます。ウィキペディアとウィキの未来に関するウォード・カニンガムへのインタビュー(5ページ)もどうぞお見逃しなく。
今月のハイライトには、ウィキペディアの100万項目達成に関するプレスリリース、オーストリアのリンツで開かれる現代的なサイバーアーツの祭典でのウィキペディアの祝賀会、ジュネーヴでの国連でのプレゼンテーションなどがあります。祝賀会は、5月に授与されたデジタルコミュニティ賞と、発足以来獲た最大の賞金を祝うものです。 このニュースレターはいくつかの言語に翻訳されており、また複数の形態でご覧になることができます。どうぞご自由に配付して下さい。新しくできたニュースレターにはまだ不備があるかと思いますが、何よりも私たちウィキメディアプロジェクトの参加者が築いてきたコミュニティや財団に関するものです。ぜひ奮ってご提案やご批判をお寄せ下さい。今後どのような内容をご覧になりたいか教えていただけると幸いです。
メタ・ウィキメディアで公表したり、次のニュースレターに掲載するウィキメディア財団やウィキメディアプロジェクトをテーマとした短い文章の投稿を歓迎します。またあなたが参加している言語版プロジェクトからの報告や、ウィキメディアに関する報道の紹介なども歓迎します。ご意見、ご提案は fact-index.com をはじめとして、今年財団を援助し、黒字運営を可能にして下さった方々に感謝申し上げます。またエッセイや図表、写真、音楽、プログラムコードを投稿してくれた全ての人、またさまざまなプロジェクトや支部に感謝します。その貢献なくしては、ニュースレターに載せる価値のあるものはなかったでしょう。 結びに、このニュースレターの発行のために、80人を超えるライター、デザイナー、編集者、翻訳者の協力があったことを付記しておきたいと思います。多くの人の協力によって作業をスムーズに行うことができ、編集作業が楽しいものになりました。読者のみなさんもこのニュースレターを楽しんでいただけると幸いです。 -- WQ 編集部
表紙 : 第1回理事会 (4)
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edit創設者より
使命を忘れず、愛を忘れず
僕たちが行っているのはとてつもない世界規模のプロジェクトで、驚くほどのペースで成長を続けています。参加者のみなさんは既によく知っているかもしれませんが、いくつかの統計データは繰り返して言うだけの価値があります。例えば、毎月2,000人の新たなウィキペディアンが誕生していること、毎日2,000の新しい項目が生まれ、40,000回の編集がなされていること(もし議論や Wikipedia 名前空間のページも含めるならその二倍くらいになるでしょう)、そしてこれはウィキペディアのみに関するデータであること、などです。
このペースで成長すると、僕たちは膨大な数のメンバーを抱えるコミュニティになることでしょう。これまでの物事のやり方ではうまくいかなくなることが出てきて、規模の拡大に伴う困難にぶつかることになるかもしれません。僕たちは、品質を維持し、さらに向上させたいと思っているし、一方で同時に、オープンで、フレンドリーで、参加者を歓迎するようなコミュニティでありつづけたいと思っています。これは一つの挑戦なのです。
この課題と向かい合っていくには、検討を繰り返したり思慮深く行動することが必要になるでしょう。それに加えて、僕はもうひとつ、絶対に欠かせないと思う要素について話をしてみたいと思います。愛についてです。技術者や、学者や、科学者の集団では、愛のあるコミュニティというような話はあまり出ませんが、僕たちの場合には、当たり前にかつ率直に、言葉や話題にしていますし、またするべきなのです。
僕たちは、今でも既に非常に多様なバックグラウンドを持った人々の集まりですが、この多様性は今後もっと増大することになります。この目標を達成するための作業を、効率的にコーディネートしていくための唯一の方法は、自分達のしていることを愛し、かつお互いを愛すること、たとえ意見が対立しても愛しあうことです。お互いに尊敬しあうことと、意見が対立したときに分別をもって歩み寄ることは、プロジェクトにとって不可欠なもので、これらはどちらもお互いに好意を抱いているなら、とても簡単なことになります。そう、この信じられないくらい馬鹿げていて、とんでもなく楽しい、世界を変えてしまうプロジェクトのボランティアをやっている同士なんだということを考えたときに自然に生まれてくる好意を抱いていれば。
ただ、このことについて完璧だと言える人はいないでしょう。それが人間というものです。ですが、編集する時、メーリングリストに投稿する時、IRCでチャットする時、メールを送る時、そんなときに普段のインターネットでの振る舞いよりももっと高いところ、理性的な寛大さと愛によって到達しうる水準を目指して、僕たちは日々努力することができます。
僕たちはもう既に長い道のりを歩んできました。そして僕たちの目標を達成するためには、使命を忘れず、愛を忘れないことが大切です。
理事会より
原文はフランス語です。ウィキメディア財団はウィキペディア、ウィクショナリー、ウィキブックス、ウィキクォート、ウィキソースの発展の結果として発足しました。これらのプロジェクトが急激な成長を遂げたために、新たな運営体制と新たな職務形態とをともに作り出すことが必要となったのです。財団の機能としては、寄付を受け取るための法的資格の取得、給与システムの策定、助成金の申請、ドメイン名やサーバクラスタの管理、印刷媒体や CD、DVD によるコンテンツの出版、プロジェクト間交流に向けた新しい仕組みの調整などがあります。
このように発展を遂げていますが、ウィキメディアプロジェクトでは参加者こそが常に原動力であり最大のリソースです。そしてこの新しい組織構造は民主的でありつづけるでしょう。ウィキメディアプロジェクトのフリーコンテンツが今後、発展し、維持され、広く普及していくことでしょう。理事会の役割は、その過程ができるだけうまく進むように、関連する議論をまとめて必要な決定を下すことです。私たちのプロジェクトには、誰もが編集できる公開性、特別な資格を必要としない信頼、ウィキを介しての共同作業、自分以外の人の貢献に目を向けることで生まれる他者の尊重、ボランティアに基づく贈与文化があり、それらの上に築かれた設立の精神を守ってゆきたいという願いが、理事会メンバーを動かしてます。
この三ヶ月、私たちはウィキメディアの将来のための確かな基礎を築いてきました。会員制度の策定を開始し、来年以降に私たちのプロジェクトを支援してくれる予定の人々や組織と数多くのコンタクトを行い、今後ウィキメディアを財政面で安定させるために助成金を申請し、定期的な資金調達イベントの計画を始めました。ウィキメディアの財務情報公開における透明性の確保と、開発者チームとのコミュニケーションを促進するための公式な役職が、それぞれダニエル・メイヤーとティム・スターリングに与えられました。
ドイツ支部およびフランス支部と連携し、ウィキペディアのコンテンツを CD や DVD で配布するために企業とコンタクトをとり、ウィキペディアのスナップショットを作成するなど、オフラインでの配布のための準備を始めました。一方で100万項目に達したことを記念する全世界的なプレスリリースを先ごろ配布しました。財団は報道機関との更なる接点を確立しつつあり、多言語 PR 委員会の協力を得て、私たちのプロジェクトの知名度をさらに向上させることを試みています。
最後に、財団専用の公式なウェブサイトを新たに準備しています。ここでは財団とその役割、多くのプロジェクトや活動、将来計画などを一般向けに紹介していく予定です。また現在のサイトが行っているような財政状況についての説明に加え、オンライン会員登録システムも提供されるでしょう。wikimediafoundation.org の今後数カ月の更新にどうぞご注目ください。
ご質問やご意見をお待ちしています。私たちの会話ページ([1])や、board
(at) wikimedia.org
までお寄せください。
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edit四半期報告
管理運営 ウィキメディア財団に関する情報はどこで見ることができますか? 財団に関する最近の情報はこのニュースレターや、専用メーリングリスト[2]、メタウィキ[3]、財団のウェブサイト(準備中)[4]でご覧になることができます。 理事会は何人で構成されているのですか? 財団創設者兼理事長のジミー・ウェールズを含めて5人です。書記のアンジェラ・ビーズリーと副理事長のフロランス・ドゥヴアールは選挙で選出されたユーザーの代表です。マイケル・デイヴィスが資産管理人であり、財団の資産を管理しています(財務を参照)。ティム・シェルは英語版ウィキペディアに活発に参加しており、しばしば IRC チャンネル #wikimedia にも現れます。 理事会のメンバーはどのように連絡を取り合うのですか? 今のところ理事会の活動はメタウィキメディア[5]に記録されており、将来的にはウィキメディア財団のサイト[6]で公開される予定です。基本的には電子メールで連絡を取り合います。メーリングリストの foudation-l もよく利用されます。このメーリングリストには誰でも参加でき、アーカイブも公開されています。また理事会のメンバーは freenode の IRC チャンネル #Wikimedia をよく使います[7]。IRC ではすぐに理事たちにコンタクトすることができます。三名の理事会メンバーが IRC に同時に接続していることもしばしば起こりますが(これは理事会が正式に成立のために必要な定員です)、通常は公式な会議ではありません。 今年の夏以降、理事会のメンバーで活発なミーティングが数回行われています。2004年7月4日、ジミー・ウェールズ、アンジェラ・ビーズリー (Angela)、フロランス・ドゥヴアール (Anthère) により、パリでのウィキペディアンのミーティングに際して理事会が行われました(要約[8])。 7月下旬には、財団の公式なウェブサイト www.wikimediafoundation.org の制作に関する議論がありました。Angela、Anthère、Mav、ティム・スターリングをはじめとして多くの人が議論に参加しました(要約と結果[9])。 9月5日には試験的なウィキスピーシーズプロジェクトのデータベース作成に関する緊急特別会議がありました。熱狂的な愛好家にデータベースをどのようにしたいのか討議が任されました。一名を除く理事全員が召集され、およそ20分この問題を討議しました(要約[10])。 ジンボ、ティム、マイケルに理事会の決定権があるのですか? 現在のところ、ティムとマイケルは理事会の議論と決定では最小限の役割のみを果たしていて、これは今後も変わることはないでしょう。コミュニティの声が反映されることを保証するため、プロジェクトの方向性がまったく根本から変更されると感じない限りは、会議においてジンボは決して Angela と Anthere に反対票を投じないことを確約しています。とはいえ Angela、Anthere とジンボはコミュニティとプロジェクトの基本的な諸価値を共有しているので、そうしたことはまず起こりそうにありません。実際上のことでは、ほとんどの議題について、民主的に選出された二人の理事会メンバーに決定権があり、ジンボはその決定を受け入れています。 投票による決定の数はどのくらいありますか? 私たちは話し合い、全員が合意できる提案を見つけ、必要なら他のメンバーと意見を調整し承諾を得て、合意に達することを好みます。非公式に行われた投票では、すべてが全会一致に達しました。 理事会はどこかで活動を記録し、あるいは公表しているのですか? ほとんどの場合理事会は議論を freenode の IRC チャンネル #wikimedia で行っています。このチャンネルでは、審議の傍聴が自由なだけでなく、議論に参加し理事会が決定を行うことを手伝うことができます。事前に計画されたミーティング、IRC のミーティングの議事録、たとえば財団のウェブサイトに関するものは、他のミーティングの要旨とともにメタ・ウィキメディアと財団のウィキで公開されています。一方で、理事会のメンバーは非公開のチャットやメールの交換も行っています。このことは理事会のメンバーにとって、軽い思いつきで発言したことが理事会の新たな方針で、あたかも決定事項であるかのように受け取られることを防ぎ、自由に発言するために重要なです。このニュースレターや理事会の議事録、メーリングリストでの公式発表、財団のウェブサイトによって、理事会の活動がよく知られるようになることを期待しています。 公式な役職と委員会には何がありますか? 財務については資産管理人のマイケル・デイヴィスが監督を行い、ダニエル・メイヤー (Maveric149) が責任者です。メイヤーは、特に我々の運営費の設定と([11])、通帳の管理を担当しています([12])。 ティム・スターリング (Tim Starling) が理事会と開発者グループの連絡役となっています。開発者の活動は主に、サーバのメンテナンスとメディアウィキソフトウェアの開発(メディアウィキはウィキメディア以外の用途でもたくさん使われています)の二つがあります。 ティム・スターリングは現在、開発者委員会[13]の準備をしています。この委員会はもっとも活発な開発者達によって構成される予定で、とりわけ、今後の開発の方針や、必要な備品購入の決定、一部の要望への対応などの開発決定を策定するための方法を明確に定める手助けとなる予定です。 他には公式な委員会はありませんが、自然に形成された、委員会と同じくらい重要ないくつかのグループがあります。たとえばパブリック・リレーションと助成金の調整に関するグループで、ダニー・ウールが助成金コーディネータを務めています。他に提案されている委員会は [14] を参照してください。 財団のメンバーになるには? いずれかのウィキメディア・プロジェクトに活発に参加している人は、誰でも自動的に財団のボランティア会員になります。今秋、ボランティア会員とプロジェクトの他の後援者は会費納入会員になるよう促されます。これは会費の納入が必要です。 会員制度について7月に行われた議論から、以下の提案が作成されました。 財団の会費納入会員になるためには60米ドル(または他の通貨で同じ金額)を支払います。ただしウィキメディアプロジェクトへの貢献は必要ありません。プロジェクト参加者の会費は6米ドルになる予定ですが、事情が許すなら通常の会費を払うことを検討してみてください。会員は自分の会費の一部の使い道を選択することができます。例えば30ドルはハードウェアの購入にのみ使うべき、など。 会費を支払う義務はありません。プロジェクトへの参加(や、プロジェクトから利益を得ること)は現在も、これからもずっとフリーです。寄付をすることはプロジェクトを援助する付加的な方法以上のなにものでもありません。提案の全文はメタウィキの[15]で参照できます。会員制についての質問はMembership FAQにあります。 ウィキペディアに広告を入れる計画はありますか? ウィキメディアは、ウィキペディアにもその他のどの姉妹プロジェクトにも、予想可能な将来に広告を許容する考えをもっていません。適切な助成金と公衆からの寄付が、広告を必要としない確かな未来を与えてくれるものと信じています。広告以外にも金銭を得る方法は他にもあります。助成金、賞金、ミラーからの援助、ハードウェアの寄付などです。広告を載せることは確かに収入を増すでしょうが、他の種類の収入、特に寄付を減らす可能性も高いのです。また広告の導入は少なからぬ投稿者を動揺させるでしょう。 開発者にはお金が支払われると聞きました。本当ですか? 2004年7月に、ウィキメディア開発者達は、開発業務のための給与システムをセットアップすることが可能か決定するために意見調査を行いました。理事会の第一の目的は、信頼できる方向性に沿った開発を可能にすることです(例えば、ソフトウェアの特定機能の開発に対して対価を支払う)。投票の結果は [16] を参照。 投票を終えて、理事会は4ヶ月を一単位とする期間, 一定の制限のもとで報奨金を払うシステムの導入を決定しました。提案されているシステムでは、すべてのユーザーが自由に新たな機能をリクエストすることができ、開発者は、仕様的趣旨のために特定の項目に取り組むことを提案できることになっています。開発者委員会は要求や申し入れの実行可能性や便利さについて理事会に提言し、理事会は、ある業務の申し出を受け入れるか拒否するかについて最終的な決定を下します。ウィキペディアの参加者全員が、この問題についての意見を述べることが再び奨励されます。現在の提案はメタウィキの [17] で見ることができます。 開発者委員会と密接な共働を保ちつつ、特定の仕事をすることを選んだ金銭およびその他の手段による報酬のシステムを財団は試験的に運用する予定です。試験的運用は4ヶ月行われ、その後報酬システムは一端停止した後、運用が成功したかどうかが評価されます。 提案されている報酬システムでは、誰でも新しいソフトウェア機能の要望を出すことができます。また開発者は要望された機能の実現のためを、どのような金銭的条件で引き受けるかを提案することができます。開発者委員会は要望と提案の実現可能性と有用性について理事会に助言を行い、理事会は要望された仕事に対する提案を受け入れるか拒否するかを決定します。 報酬システムの試験的運用の詳細はメタ・ウィキペディアで読むことができます[18]。試験的運用が終了した後、ウィキメディアへの寄稿者は誰でもこのシステムを評価するよう奨励されるでしょう。 コラボレーション 今年に入り、協力者になるかもしれない人々との協議が熱気を帯びてきています。ウィキメディアプロジェクトとの共同作業に興味をもつ外部プロジェクトには、プロジェクト・グーテンバーグ (ウィキソース), オープンテキストブックとフリー中高向け科学テキスト (ウィキブックス)、オープン=メディア(新たに発足したウィキメディア・コモンズ)などがあります。7月1日、ドイツのウィキペディアンはブロックハウスのニュー・メディア・グループとミーティングを行い、情報交換を行いました。ジミーとアンジェラは8月末に BBC と会談し、ウィキペディアがこれらのプロジェクトとのコラボレーションの可能性が開かれていることについて話をしました。 Yahoo! が、コンテンツ取得計画の一環としてウィキペディアに声をかけた今年の5月から開始した、複数のコラボレーションは既に実現に向かいつつあります。新しいページのリストのデータフィードが、ウィキペディアのコンテンツの検索結果を最新の状態にするために Yahoo! に提供されました。個々のコンテンツ提供者との他のコラボレーションは、ほぼ具体的な成果を挙げつつあります。二つの主な配布計画が今年の秋中に完了する予定です。 |
配布計画 ディレクトメディア CD 9月の終わりごろに、ドイツの企業ディレクトメディア・パブリッシング[DMP] [19] からドイツ語版ウィキペディアのコンテンツを収録した CD-ROM が生産される予定です。9月1日の版の一部を整理したものを含んでおり、ISO-image と SQL-dump も入る見込みです。3万枚の CD-ROM が DMP から登録した顧客に無料で送付されます。他には1万枚が、試供品として書店に提供される他、5ユーロ以下で販売されます。 ディレクトメディア・パブリッシングはこの10年間で社会科学や辞書、画像集などの電子書籍を180冊ほど出版しています。 マンドレイクソフト DVD 今年の終わりに、マンドレイクソフト(Linux ディストリビューションを販売している会社)がフランス語版と英語版ウィキペディアの二か国語スナップショットをマンドレイク Linux の次期バーションの DVD に収録してリリースする予定です。マンドレイクソフトは最もポピュラーでユーザフレンドリなLinuxディストリビューションのひとつを何年にも渡って提供してきました。 これらを公開する準備として画像やリストに出典表示を付ける集中的な作業がなされました。この作業は長らくウィキペディアの懸案事項でした。作業は混乱しきったウィキペディア・プロジェクトの品質改善に寄与しました。5万件の出典不明の画像の分類を抱えている英語版ウィキペディアでの画像出典確認は、ただいま進行中です。どうかこの作業を手伝って下さい[20]。 他の申し入れや招待 ウィキメディアはフランスのウェブホストからフリーホスティングの永続的な申し入れを受けており、3台のあらたな Squid が最近立ち上げられました。フリーホスティングの他の申し入れは他にもありました。特に、フロリダの今年最初のハリケーンに対する心配から、8月下旬にアクティブ・ミラーの緊急用ホスト計画が作られました。 財務・会計 寄付 財団創設から今年の8月31日までに、1180 名から PayPal を通じた寄付が寄せられており、米ドルに換算してあわせて 46,600 ドルになり、一日に平均すると 190 ドルになります(米ドル以外の通貨は、現在の交換レートで換算)。半分以上にあたる 29,800 ドルは、7月と8月に英語版ウィキペディアで非公式に行われた、寄付のみによるウィキペディア運用月間中に寄付されたものです。 賞金 5月にはプリ・アルス・エレクトロニカの「デジタル・コミュニティ」部門でゴールデン・ニカ賞(グランプリ)がウィキペディアに与えられ、自由に利用できる補助金10,000ユーロが副賞として贈られました[21]。 助成金 2004年の夏は、あちこちの助成金への申請が検討され、NHE の助成金[22]の検討に多くの時間が費やされました。この助成金は有望な人文学分野のプロジェクトに対するものです。ウィキメディアの歴史が要約され、詳細な解説と予算が人文学プロジェクトの提案のために書かれました。またプロジェクトのスタッフとなることに関心をもつ投稿者の経歴も取りまとめられましたが、最終的には、時間不足で申請には至りませんでした。しかしこのために制作されたウィキメディアに関する紹介文や、特定のプロジェクトについて文書を取りまとめた経験は、この秋、これからの申請に役立つでしょう。 機器の購入 7月8月の寄付に加えて、昨年の12月下旬に集まった寄付 (主サーバのクラッシュとダウン時に、直ちに集まった寄付) は6万ドルを超える額に匹敵する新しいサーバの購入に使われました([23] および [24]を参照)。 技術・開発 今年に入ってからは技術的な面からも注目すべき活動を行っています。今年の頭にはサーバはまだ2台の状態で、Alexaの世界のウェブサイト・アクセスランキングで900位程度にいました。2月にはサーバを9台に増強し、設置場所をカリフォルニアからフロリダへと移動しました。5月には3台のサーバを購入し、6月に駆動を開始しました。6月の終わりには非常に高速なデータベースサーバ、Ariel の動作を開始しています。いずれの増強も、それまでアクセスしなかった多くの方々がアクセスするきっかけとなりました。現在は8月に発注した8台の新しいサーバの到着と、インストール待ちの体勢となっています。 現在、Wikipedia.org は Alexa ランキング [25]の中で、英語ウェブサイトの中では常に上位500位以内に入り、着実に順位を上げています。統計では6月の一ヶ月間で約100万回の編集が行われました。これまでのところ、私達は2003年の末に陥ったような、非常にアクセスしづらい状態に陥ることなく運用を続けることができました。それが可能となったのは多くの方からの寄付があったからに他なりません。ご協力に感謝致します。 5月にはテンプレート、カテゴリー、新しいスキン、さらに多くの言語に対応した MediaWiki ソフトウェアのバージョン1.3をリリースしました。このバージョンでは編集競合も起きにくくなっています。次の段階として、データベースとの安定した接続、多くの点でのスピード向上、 PostgreSQL データベースのサポート、記事のレビュー機能の追加などを盛り込んだバージョン1.4を数ヶ月後にリリースすることを目標とし、開発を続けています。 今後、ハードウェアを地域的に分散して設置することでの負荷分散を開始します。まずは3台の Squid キャッシュサーバをパリに設置し、ヨーロッパからのアクセス処理を開始する予定です。これにより、ヨーロッパから利用する際にフロリダのサーバからの返答を待つ必要がなくなります。この運用がうまくいき次第、ホスト設置の申し出があれば、さらに多くの地域へと分散を図ることできるようになると期待しています。 このたび編成された開発者委員会は、コミュニティの成長と、技術的な進化を遅れることなく取り入れる技術者集団として、6カ国からのメンバーで構成されています。 プロジェクト 現在活動中のプロジェクトは6つです:
この他に、最近新しく作られたプロジェクトや将来の展開を待っているプロジェクトがあります:
コミュニティ ウィキペディアン・夏のミーティング ジミー・ウェールズがヨーロッパに旅行した機会に、たくさんのミーティングが行われました。特筆すべきものにロンドン、ベルリン、パリ、ジェノヴァのミーティングがあります。詳細はメタ・ウィキペディアで読むことができます[26]。 他の出来事 マンハッタンで5月に行われたプリ・アルス・エレクトロニカの授賞式では、素晴らしいシャッター・チャンスがいくつもありました。Danny がウィキペディアンを代表し、ゴールデン・ニカ賞を受け取りました。夏の終わり、9月の第1週には、大規模なアルス・エレクトロニカ・フェスティバルが行われ、数多くのヨーロッパのウィキペディアンが参加しました。ジミーはフェスティバルに登場し、プレゼンテーションを行いました。
広報 この春、ウィキペディアが全言語通算で50万項目に達することを記念する、メジャー・プレスリリースが発行されました。また今月には、100万項目を記念する別のプレスリリースが用意されています[27]。 5月と6月に、プリ・アルス・エレクトロニカとウェビー賞の両方でコミュニティ賞を受けたことに続いて、ジミーへのインタビューとウィキペディアに関する記事が沢山ありました。一番有名なのはジミーへのスラッシュドットのインタビューです([28])。 ウィキメディアについての報道からの引用は、6ページの「メディアでは」をご参照ください。 |
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editプロジェクトから
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生命の木 英語版ウィキペディア内のウィキプロジェクト Tree of life は地上に存在する全ての生物を扱い、成長すれば現在のウィキペディア全体よりも大きくなるものです。これまでも数千を超える記事が書かれてきました。 理事会は9月に、生物学に関するプロジェクトとして提案されたウィキスピーシーズ([29])について議論するために、オンラインミーティングを行いました。このプロジェクトの目的は全ての生物種のデータの提供にあり、ウィキプロジェクト Tree of Life と関連するものです。ウィキスピーシーズは9月後半に始動し、英語版ウィキプロジェクトの Tree of Life やウィキペディア上の類似したウィキプロジェクトと連携を取りながら進められる予定です。 冊子類 1つのトピックに特化した話題を扱う印刷テキスト、『ウィキリーダー』が、ドイツ語版ウィキペディアから2つの分野について発行されました。発行されたのはインターネット、およびスウェーデンについての冊子です([30])。トマス・カルヒャーを中心としたグループが編集し、PDFに変換し、印刷されたこれらの冊子は、一冊6米ドルで入手できます。WikiReader には [31] にある簡単なガイドラインが付属しています。既にドイツとオーストリアでのオフラインミーティングで配布され、オンラインストア[32]でも入手可能です。これと似た印刷物製作のプロジェクトが現在英語版でも動いており、暗号理論と第二次世界大戦についてのウィキリーダーが発行される予定です[33]。([34]) |
ウィキメディア・コモンズ 2004年9月にウィキメディアコモンズのプロジェクトが開始されました。これはウィキメディアのプロジェクトすべてで自由に使用できる画像、音楽、テキスト、またおそらくはテキストや発言など、あらゆるものを収集することを目的としています。まだ計画段階ですが、このプロジェクトで収集した画像などは将来的にウィキメディアの全てのプロジェクトで再利用できるようになります。 提案中のプロジェクト ウィキピープル: このウィキは、 911ウィキを中心としてその他特定の記念ページへのポータルへと統合するメモリアル・ウィキであり、各年代の人々の系図上の詳細を含む家系図ウィキでもあります。 ウィキバーシティ: このウィキは現在ウィキブックスの素材のポータルです。それも特に(自習用)教科書へのポータルとなっています。ウィキバーシティへの関心は急速に広がっています。これには定期的にウィキペディアを授業で使う大学や高校の教師への包括的な授業支援も含まれます。これまで使用していた教科書をウィキブックスにある教科書に置き換える試みが既に行われており、その他にもウィキバーシティをより洗練されたものとするための活動が行われています。 |
各言語版 de : 品質改善運動(Qualitätsoffensive): 2週ごとにひとつのトピックを選び、関係する項目の査読と更新を行います。4月に始まり、これまで11の話題を取り扱っています。バナー en : 秀逸な画像 : 秀逸な記事の選考と平行し、質の高い画像を秀逸な画像として分類します。関連プロジェクトには「今日の画像」があり、テンプレートを使って毎日一枚の画像に注目を当てます。 fr : この夏、ウィキペディアの品質を向上させる包括的な運動がなされました。議論となる項目の数は大幅に減り、画像にはすべて出典が適切な情報とともに表示され、沢山のスタブ(書きかけの項目)が適切な記事へと書き換えられました。 ja : : 9月9日、日本広告主協会によるWebクリエーション・アウォードを受賞しました。この賞は日本語圏で「Webの世界に貢献した人」に与えられるものです。 nl : 執筆コンテスト(Schrijfwedstrijd): オランダ語版ウィキペディアで大人気の記事執筆コンテストが、ドイツ語版でも9月に始まりました。ドイツ語版 zh : 2週ごとに記事1つを選び、関係する項目を含め査読と更新を行います。 |
支部からの報告
editドイツとフランスを拠点とした最初の二つのウィキメディアの支部を創設するための努力が今年始まりました。規約案が起草され、関心をもつ人々が、特にドイツ語版とフランス語版の定期的に活動するウィキペディアンの中から、各支部の組織と振興を助けるために選ばれました。両支部の才能ある人々が支部についての豊かな記録を作りました。ドイツ支部に関する記録のほとんどはメタ・ウィキペディアで読むことができます。
ウィキメディア・ドイツ Akl, elian 兼ねてからの計画どおり、ドイツ語版ウィキペディアは2004年6月12日に二つのマイルストーンを通過しました。この夜、ウィザード・オヴ・OSカンファランスに際して、ウィキペディアンはドイツ語版10万項目を祝うパーティを行いました。翌日、34人のウィキペディアンにより、ウィキペディア財団のドイツ支部「ウィキメディア・ドイツ」が設立されました。他のウィキペディアンも臨席しました。 活動はただちに始まりました。7月1日には5人の支部役員が、有名なドイツの百科事典出版社、ブロックハウス社を訪れ、双方の経験を交換しました。ベルリンのデジタル図書館では、ウィキペディアのCD版製作についての協同作業が始まり、9月末には第1版4万部が配布されます。 IRC の常連による支部会員のミーティングでは、さらなる展開とプロジェクトが話題にされました。メディア・計算機学の教授であるデボラ・ヴェーバー=ヴルフ(ベルリン)は、ウィキペディアでの学術的努力を調整する仕事を引き受けました。 ウィキペディアのプレゼンテーションを見本市や会議で行うことが計画されています。この計画にはレーラッハの見本市リナックス・デイとベルリンでのカンファレンス、ベルリナックスが含まれています。 |
ウィキメディア・フランス Yannf, Ant 未来のフランス支部は形成期にあります。準備委員会(comité de pilotage)が設置され、支部会則の草稿と組織の提案がなされています。 協会の現状([35])は準備委員会のメンバーの眼には順調に見えます。いかなる特定の論点についても、誰も反対しているようにはまったく見えません。主要な問題だった名称の問題は、最終的に「ウィキメディア・フランス」に落ち着きました。 夏のヴァカンスのおかげで、なにもかもがスタートできる状態に整いました。けれども休暇の終わりには、さらに状態は向上しました。委員会の沢山のボランティアだけではありません。計画(で読めます)に関しては([36])、今後のマイルストーンは、10月にある協会の法的地位を正当にするためのミーティングです。そして11月にあるのは、協会の公式な発足です。 おそらくミラーがどこかに将来おかれるでしょう。そして資金が許すようになれば、ドメイン名が購入されるでしょう。 ... |
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editQuarto 編集部は、ウィキの発明者でありエクストリーム・プログラミングの創始者のひとりであるウォード・カニンガム氏(以下WC)に時間を割いて頂くことができました。最近イリノイで行われたプログラム・パターン言語学会の疲れを癒している最中のカニンガム氏から、ソーダを飲みながら、カニンガム氏の頭の中にあるウィキの進化、著作権、ウィキペディアのコミュニティについての考えを伺いました。そのあとカニンガム氏は普段出入りしている
#wikipedia
に顔を出し、みなの喝采を受けました。
Wiki Wayedit編集部: ウィキは編集に関するあらゆることを容易にしました。まだ残っている編集への障害はなんでしょう。どのようにウィキを発展させたいですか。 WC: ウィキで執筆するときにまだ残っている問題というと、WYSIWYG(見たとおりののまま)形式の編集ができないことかな。中にはウィキでの作業がうまくいっているのは、この奇妙な編集形式を乗り越えた人でないと参加できないからだ、という人もいる。でも小さなテキストボックスにあらゆるページを打ち込むことを考えれば、やはり WYSIWYG で編集できないのは酷な話だ。ちなみに、[WYSIWYG エディタ]がみんなのために役に立たないなら、僕は満足していないだろうね。 編:『Wiki Way』の中でコンテンツの編集やリファクタリングにおいては徹底して柔軟であることが重要だと提言されています。古い投稿内容を残して、解りやすい要約を加えていくに留める余地もあるのではないでしょうか。 WC: 僕が運営しているウィキでは、極端な方針をとっていた。僕は極力編集可能にして、履歴は取らなかった。だから「削除」は本当に削除だし、削除ボタンを使うときにはそのことを考えないといけない。その試みが受け入れてられて、その方法でやっていけるんだとみんなが気づいてくれるのは嬉しいね。そのウィキにいる人たちは、「こういう極端なやり方には良いところも悪いところもあるね」と言えるだろう。僕はウィキの極端なあり方をやわらげるのはいいことだと思う。でも新しいルールを作ると、いつだって、新しいボランティアが投稿することが難しくなってしまう。
編: 会話ページと本文を分けることについてどう思われますか。 WC: とっても良いと思う。すばらしいよ。ウィキペディアは自分は執筆者ではないと思っている利用者や、メタな議論に興味がない人にとって価値があると思う。会話ページなくしてウィキペディアはなりたたないんじゃないかな。 編: 単一のウィキ内に多くの言語があることについてはどうですか? WC: うん、僕はとても良いアイデアだと思うね。ページを読むときに、それに関する微妙な問題を知ることができる。重要で微妙な問題にまっすぐ取り組めるのは、ウィキのいいところのひとつだね。複数の言語文化に足を突っ込んでいる人がいれば、言語間でのとても微妙な考えについてコミュニケートすることができるし、全世界的な視点を得ることができるでだろう。 編: では……ウィキペディアはウィキと言ってよいのでしょうか。 WC: もちろん。たくさんの評判がウィキペディアのおかげで僕のところにやってくる。僕はいつもみんなに、僕のウィキはウィキペディアじゃない、ウィキペディアには沢山の革新があるんだ、と言ってるよ。僕はウィキペディアコミュニティがやってきたことを誇りに思うよ。本当にすごいことだ。 マイクロソフトedit編: マイクロソフトで働いていらっしゃるわけですが、そのことについてあなた自身どのように感じているのか、知りたい人がいるようです。 WC: 自分のウィキに書いた通りだね「マイクロソフトに関わっているけど、いままで通りのウォードだし、今後もそうだ」。そしてマイクロソフトもマイクロソフトであり続けるだろうね。 編: あなたがマイクロソフトにいくらか影響力を持ってほしいと思っている人もいるようですよ。 WC: そうだねえ、マイクロソフトが僕を引き入れた意図は、僕が彼等に対して何らかの影響を及ぼすことなんじゃないかな。
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永続性と著作権edit編: ウィキをコラボレーションのために使わないとき、他に何を使いますか。 WC: 僕はだいたい12のウィキを使っている。他に毎日使うものといえば Eメールだけだ……。急用について、いまこのとき目を向けさせることができるからね。もし何か特定の事柄についての、すぐ済む要件であれば、僕はメールを送る。もし時間に関係なく何かについて話したいなら、ウィキに書いてからどこにあるかをメールで知らせる。 編: (わかります。私たちもそうです) WC: 実に興味深いと思ったこと、また見たときに嬉しかったのは、ウィキペディアがパブリックライセンスの元に発行されていることだ。百年後に「正しい」オンライン百科事典というものがどんなものになるのか予見できるだろうか。選択肢が50もあれば、まあ上出来といったところだろう。これを可能にしたのは素晴らしいことだと思う。僕らはまだ、この道程を踏み出したばかりだ。この「全地球的なコラボレーション」をいくつか体験した先に、どんな風になるのか、想像して欲しい。 ウィキペディアedit編: 最近ウィキペディアを編集したことはありますか。またウィキペディアについてどう思いますか。 WC: 何かを調べなくてはいけないときにウィキペディアを読むよ。ほとんど毎週かな。けれど自分ではあまり編集しない。誰かが現代的な百科事典を教えてくれって聞いてきたら、僕はウィキペディアを勧めると思う。いまやウィキペディアが百科事典とは何かを示しているんだ……。 編: 実際には、私たちがやっていることはその反対なんです。ウィキペディアの基本ルールのひとつは「独自の研究を投稿しない」ということですから。 WC: それは、ウィキペディアを論争の渦から遠ざけておくための基礎だからかな。僕は実際に起きたことを話してもらいたいんだ。いつもね。誰でも、その人自身の経験が基礎になっているから。コミュニティは何かに基礎をおかなきゃならない。さもなければ絶え間ない思い込みの渦巻きに終わってしまうからね。 編: ウィキを作ったごく最初の時期、いつかウィキを使った百科事典が作られるかもしれないと考えたことはありますか? WC: 実際のところ、僕はコミュニティで使う新出用語の単語帳のようなものなら考えていた。コミュニティには辞書が必要だというのが、最初のウィキを思いつくきっかけになったんだ。でもウィキペディアが取り扱う範囲は、僕のウィキが扱っている範囲よりずっと広い。当時、僕は意見がわれやすい話題というものがあることに気が付いた。僕はそういうことについては書かないように勧めた。なぜなら、意見の一致をみないならばフォーラムが不安定になるし、みんなは合意を見いだそうとはしないだろうと思ったから。 いま僕がウィキの質的に優れた面を自慢するなら、コンピュータ・プログラムにはできない方法で規範を樹立し強化するコミュニティの能力について話すね。中立的な観点をプログラムのルールに書いたり、それを提出された文書のテストとして実行することは、おそらく無理だろう。こうした社会的な区別を作る唯一の方法は、例を出してたくさんの人に議論させることだ。
On Wikipedia 2edit編: ウィキが今日のように大きく成長すると予想していましたか。 WC: 僕は失敗するものもいくつかはあるだろうと考えていたんだ。でもコミュニティが自分たちの回りで解決する方法を見つけたことには驚いていない。当時僕が考えていたのは、重要なのは、組織の仕方が間違っていることが分かったとき、人々が自分たちの仕方でそれを再び組織すること、組織化が起こりうるということが重要だということだ。 編: 他に巨大なウィキでのプロジェクト、たとえば書評や報道などは何故ないんでしょうか。 WC: たぶんこういうことは数年おきごとにしか起きないことなんだろう。たぶん、どのように社会的プロセスの働きとその価値を理解する集団だけが、ウィキペディアのように急速に成長できるのだと思う。そういうときは誰かがコミュニティを形成するエネルギーをもっていないといけない。それが社会システムを支えることになるんだ。そしてたぶん、こうしたコミュニティが形成されると、「ねえ、これは随分うまく行ってるよね。僕にちょっと儲けさせてくれ」といい出す人が出て、人々は少しばかりよからぬことを考えるようになるんだろう。 編: ウィキペディア関連のコミュニティがこれほどたくさんあるのはどうしてなのだろうと、考えることはありますか。 WC: ウィキメディアが姉妹プロジェクトの開設を奨励したり、君たちが自分たちで何かをやってきたということ、こうした事実が、ある意味で百科事典を作り上げるということに増して偉大な目標なんだ。プロセスを回転させればするほど、よりコミュニティが活気を帯びて活動することになる。 編: お話しいただきありがとうございました。なにか最後に仰ることはありますか。 たんにウィキペディアのページ数を増やすことではなくて、ウィキペディアというアイディアが世界中に広がっていることについて書いて欲しいね。そしてニュースレターと財団を使って、こうしたアイディアを見守りながら広め、文化の観点から理想的な努力を推し進めていってください。 --[WQ]
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editメディアでは
このページではあらゆる形態のメディアによるウィキペディアについての評価、よいだの、悪いだの、あるいはどちらでも同じだ、などという声をを概観します。今までのところ、ウィキペディアがメディアの注目を独占していますが、次のニュースレターでは姉妹プロジェクトへの言及も同様に抜粋できるように望みます。
「この星の誰もが、それぞれ人類の知識の総体に自由にアクセスできる世界を想像してください。これこそ、ぼくたちがしていることなのです」 -- ジンボ・ウェールズ、スラッシュドットのインタビューで[37]。和訳[38]
「もしまだ古いブリタニカが本棚を占領しているなら、もう古本屋に持っていってしまおう。ウィキペディア……学術的で、詳細なこの百科事典では、文献を調べるのに使用料は必要ない。なんといっても、項目は今日性を保つために果てなく更新され、誤りはうれしいことに数分で修正され、堅苦しい先輩と違い、ユーザーであるあなたの専門的知識に敬意を払う」 -- 『タイムズ』(ロンドン)、2004年6月20日
「『ウィキペディア』。この21世紀の百科事典は、無料で、誰もが参加できて、フリーだ。慎ましく、かつ巨大なこのプロジェクトは、めざましく成長を続けている」(SVM & 2) 9月号 76-77ページ (フルカラー両面見開き)
「その名はウィキペディア。グーグルのように、世界の驚異の一つ」 -- ジョン・ノートン、『オブザーバー』2004年9月12日
報道の目を通して、ウィキペディアの一年を時系列にまとめました。
- - 2003年7月21日 : 「たとえば、Wikipedia.org は、誰にでも驚くほど精確な百科事典を作るための共同作業を許している」 -- デイヴィッド・ワインバーガー、『NPR』
- - 2003年10月17日 : 「我々のリファレンスサイトのトップ10に入る」 -- 『デイリー・ミラー』(イギリス)
- - 2004年1月29日 : 「デジタル時代の最も魅力ある発展のひとつだ… 並外れている…」 -- ダン・ギルマー、『サン・ホセ・マーキュリー・ニュース』
- - 2月25日 : 「確立した百科事典の質を達成するためには、さらにするべきことが残っている」 -- 『本日の話題』ドイツのテレビニュース、最終版が番組の結びに三分間のセグメントでウィキペディアについて述べる。
- - 3月1日 : 「誰もが知っているはずの30のウェブサイトの一つ」 -- 『PCコンピュータ』、スペインの技術情報誌、スペイン語版ウィキペディアに言及して。
- - 4月1日 : 「感銘を与えるサイト……考え付くトピックスは全てカバーしている……参考になり信頼できる」 -- 『ガーディアン』(イギリス)
- - 4月23日 : 「オンラインで、オフラインでももっとも信頼できて便利な情報源の一つ」 -- 『BBCニュース』
- - 6月1日 : 「もっとも素晴らしく面白いウェブサイト」 -- 『アイシー・ウェールズ』, ウェールズの国営サイト
- - 6月29日: 「信じがたい……ウェブ掲示板やゲストブック風の落書きやスパムの山ではない。まったく反対だ。このオンラインの参考資料のたくさんの項目は、商業的な事典類と較べても遜色ない」 -- マリオ・ジクストゥス『フランクフルター・ルントシャウ』
- - 7月20日 : 「幸運なことに、ウェブを台無しにした同じコミュニティ--つまり我々人間が百科辞典を進化させている。」 -- 『シカゴ・サン=タイムズ』
- - 8月11日 : 「もしあなたがインドの村や冬の北カナダの村に住んでいる子供だったら、たぶんときどき、数冊の本があるところへ行くことができた。今では、電話をもっているなら、フリーの百科辞典を手に入れることができる。世界中の知識へのアクセスをもっている」 -- ハワード・ラインゴールド、『MSNBC』のインタビューにて。
- - 2004年8月14日: 「トリビアのブロックハウス」 -- アンドレアス・M・ボック、『南ドイツ新聞』
- -「ブロックハウスとエンカルタにとっては厳しい戦いになる。フリーのオンライン百科事典ウィキペディアが数週間後に CD-ROM で登場する」-- 『PCヴェルト』2004年9月10日号
もっと最近では、ウィキペディアは天気予報の取材源にさえなりました。
- 「(ハリケーンの)イワンは、火曜日、メキシコ湾上、ミシシッピ川河口の325マイル南南東にあり、時速10マイルで北北西に進んでいます。www.wikipedia.org によれば、ハリケーンは水曜日早朝にアラバマ海岸に達する模様です」-- ドレ・ジャクソン、『ピオリア・ジャーナル・スター・オンライン』2004年9月15日
もちろん、ファンばかりというわけではありません。他の百科事典はウィキペディアについて訊ねられると一様に、ウィキペディアには限界がある、と指摘します。「マイクロソフト(の人々)は、フリーのオンラインサイトでは、エンカルタが行っているような安定性と信頼性、ユーザのニーズへの顧慮に応えられないと指摘している。また、エンカルタはウェブのコンテンツもよりも、もっと安全な環境を学生の研究活動に提供しているとも」(シアトル・P-Iリポーター、7月12日)
イギリスの『レジスター』も定期的にウィキペディアを批判しはじめました。ある記者は「ウィキペディアン以外に、高い品質をもった情報のコレクションの幅広い有用性について議論する人を想像するのは難しい」と主張しており、ウィキペディアを「何袋もの塩を取り除けば稀に有用なことがあるオンライン資源」と呼びました(『レジスター』9月15日号、9月7日号、7月14日号)。熱狂的な『レジスター』読者からは何通かの反応がありましたが、ウィキペディアのコミュニティーの孤立した性質についての、中傷的なコラムとして掲載されました。
一方シラキューズの『ポスト=スタンダード』の技術コラムは、ウィキペディアを情報源として信用するなと警告する記事を載せたことで、8月のブログ界からの注意を集めました。多くのサイトが、「テクダート」の記事を取り上げました。「テクダート」の記事の筆者は『ポスト=スタンダード』誌で記事を書いたアル・ファソードゥ記者と電子メールのやり取りを行い、その際、活動の姿勢について批判され、それを侮辱と感じていました。
『ポスト=スタンダード』の記事は、高校で司書を務めるある女性が投書した、ウィキペディアに対して強く反対しているように見える文章からの引用を中心に展開していました。この投書が引き起こした大騒ぎについて、数人のウィキペディアンが彼女に教えると、彼女はただちに丁寧な手紙を書いて答えました(そして後に手紙を引用する許可をこのニュースレターにくれました):
- 「最近の『ポスト=スタンダード』のコラム、アル・ファソードゥに最初に送ったものを読み返してみました。顔中に卵を投げつけられるんじゃないかとひやひやしています。私が言おうとしたことは……ウィキペディアが情報源として信頼できない、ということではありませんでした。私が言おうとしたことは、ウェブに関する最も優れたこと(情報とアイディアの共有)は、平均的な中高生にとっては、調べものに使う情報源の確からしさを確かめる際の判断を、より難しくしうる、ということでした」
- 「この記事がサイトの信頼性についての論争を引き起こしたとすれば、残念です。そういうことを意図したわけではありません。投書は、問題が起きる例として提示しただけのつもりでした。」
私たちは彼女の意見に同意します。
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edit九月にウィキペディアは全プロジェクト通算で100万項目に達しました。前月八月には、多くの言語版でそれより小さな記録の達成が見られました。英語版ウィキペディアが30万項目に達し、フランス語版ウィキペディアは5万項目達成を[39]果物に関するスタブで祝いました。また、ロシア語版が5千、アラビア語版とアイスランド語版がともに千項目に達する前日にオランダ語版は2万項目に達しました。
小さな言語版は、時に一人か二人の極めて熱狂的な編集者による努力に継ぐ努力によって成長していきます。また、こうした編集者がプロジェクトに加わることで、プロジェクトが大きく発展するきっかけとなります。その好例として、アラビア語版の أبو سليمان や 、 عصام بايزيدي あるいはアイスランド語版の Ævar Arnfjörð Bjarmason などが挙げられるでしょう。アストゥリア語版およびスロバキア語版ウィキペディアは先月驚くべき成長をしましたが、これには Bar と Liso の努力が大いに貢献しています。同様に注目されるのがルクセンブルク語版ウィキペディアで、七月の終わりに始まったばかりですが、すでに600以上の項目があります。
ウィクショナリー、ウィキクォート、ウィキブックスは最近サブドメインに分割され、インターフェースが翻訳できるようになり、何百もの新しいこれから始まるかもしれないプロジェクトへの導きとなっています。それぞれのプロジェクトはすでに10以上の言語で提供されています。
同時に、チェロキー語版、マスコギー語版、ラオ語などの新しいウィキペディアが創設されてつづけています。チョクトー語版は次に設置されると予想され、また、設置準備は整っています。多言語のスイスポータルも最近立ち上げられ、www.wikipedia.ch
から結びつけられました。
ギャラリー
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editあとがき
9月2日から7日まで、ウィキペディアは・サイバーアート・フェスティバルに参加しました。ウィキペディアはアース・エレクトロニカ賞のデジタルコミュニティー部門においてトロフィーのゴールデン・ニカを獲得し、ジンボ・ウェールズが受賞プロジェクトの講演者として招待されました。 カンファレンスの開かれたブルックナーハウスでは、すべての受賞者がそれぞれのプロジェクトについて発表する機会を与えられました。ドイツ語版ウィキペディアのがウィキペディアのブースを立て、エレクトロ・ロビーと呼ばれる場所では Mike のほか、 、、が来場者にウィキペディアの理念について解説しました。隣りには、大変すばらしい人々が登場しました。が隣りのブースにいて、コモンズの人々はクリエイティブ・コモンズでライセンスされた「オープンソースウォーター」を皆に腹いっぱいになるまで振舞いました。 けれども金曜日に行われ、オーストリアとドイツのテレビで中継されたガラは、やや期待はずれのものでした。地元政治家や賞のスポンサーによる立派なスピーチがいくつかあり、続いて賞の授与が行われました。授賞式では、作品の実演の代わりに、ウィキペディアについてのロンドンミーティングの映像を含む簡単なビデオを上映しました。ガラを中継する代わりに、このときのビデオ上映で映した、ロンドンのウィキペディアンの写真をご紹介します。 日曜の夜、ジンボは、と(Joi) と共に夕食をとりました。二人はウィキペディアの熱烈なファンであり、7月の審査委員会の委員でした。その後で私たちは伊藤と他の数名とともにパーティに出席しました。ウィアード誌のジェイン・メトカルフやドイツのオンライン誌テレポリスのも同席しました。 月曜には短い時間でしたががリンツを訪れパネル講演を行い、ジンボとともに GFDL の将来について話しました。ウィキペディアの視覚化プロジェクト[40] に従事した IBM の研究員マーティン・ワッテンバーグはウィキペディアのブースで Java プログラムの実演をしました。実に素晴らしいものです! 芸術祭の最終日に、ジンボがデジタルコミュニティーのパネルでウィキペディアについてプレゼンテーションを行い、審査員であるラインゴールドや伊藤から受賞理由について説明がありました。パネリストである伊藤が自分のノートパソコンをいじっていたので、ジンボもそれを真似ることにし、講演が続く中 IRC でチャットすることになりました。実験として、ジンボは #wikipedia で英語版ウィキペディアにまだなかった伊藤についての項目を執筆してくれないかと頼みました。講演の終わりには記事は完成し、その間交わされた愉快な会話のほか、伊藤のブログの記事が生まれる結末を迎えました。私たちはクリエイティブコモンズの人々と共に、クリエイティブコモンズ・オーストリアの立ち上げを祝福しながら、カンファレンスを終えました。 |
カレンダーedit詳しくはカレンダーをご覧下さい
9月edit
10月edit
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12月edit
さらに将来の予定edit
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道程
edit財団のメンバーは冬が始まる前に印刷されたニュースレターを見ることができるでしょう。メタウィキのnewsletter pageに掲載される情報をチェックするか、ニュースレターのeメールでの講読をお申し込みください。次の号は年明け頃の発行となります。よい成果を維持し、絶えず提案を出し続けましょう!
まさかの時の信条は
ヘーゲルの弁証法!
中立化のいる記事ならば
主論、反論、総論!
よい種を蒔こう
よいことをしよう
合意が形成されるまで、立ち止まらずに進もうよ
そして呼ばれることだろう
あなたは真のウィキペディアン
執筆、対照、合成!
-dpbsmith
de:Armin Medosch en:Howard Rheingold ja:ローレンス・レッシグ zh:Wikipedia:质量提升计划