ユニバーサルな行動規範/ニュースレター/1
ユニバーサルな行動規範ニュースの創刊号にようこそ! このニュースレターは ウィキメディアンの皆さんに新しい規範の開発に関与し続ける手助けとなり、UCoC 関連のニュースや調査、今後のイベントを配信します。フィードバックや次号の話題提案はUCoCニュースのトークページに投稿してください。購読と投稿をお待ちしています。
将来の号を受信するには、配信先を利用者のトークページや井戸端あるいは適切と判断されるいずれのページにするか、こちらで購読手続きをお願いします。
皆さんの参加はとても重要です。ニュースレターの各号をご自分の言語に翻訳してもらうと情報を拡散でき、読者が新しい規範に気づいて意識すると私たちの大切なコミュニティが誰にとっても安全であり続けることになります。公表前に各号の草稿のお知らせを受け取るには、こちらに名前を追加してください。
提携団体の聞き取り調査
規模の大小や種別あるいは経歴に関わらず、ウィキメディアの提携団体には2021年3月と4月に協議に参加して、それぞれの経験や考えあるいは個別の懸念を出し合うように呼びかけており、実施の道のりと報告の手順を明確に定義することを目指しました。25回超の会議が開かれ、8言語27件の提携団体を対象に調査を行い147件の回答が集まり、加えて提携団体によっては内部で協議し、定例の公式会議で UCoC 本文を議題に載せて、フィードバックのまとめを提出しました。
提携団体の参加に関する概報はこちらをご参照ください。
2021年主要課題の聞き取り調査
ウィキメディア財団はユニバーサル行動規範(Universal Code of Conduct)の施行について、4、5月にできるだけ多くの参加者からご意見ご要望を集め、私たちの多様でグローバルなコミュニティのニーズに対して包括性と順応性を保とうと目指しました。 2021年の聴き取り調査と鍵となる質問の概要レポートを公開しました。
これらの聴き取り調査や円卓会議、あるいはその他の進行中の対話には累計で247名超が集まり、内訳は管理者もいれば役務者や調停委員、提携団体の職員もいて、貢献者は古参も新人も個別の16プロジェクトから参加しました。概要にはまた、その他のボランティア主催による協議から、UCoC施行に関する資料やイニシアチブが寄せられました。
参加者が述べた発想や思考、心配事はたいへん多岐にわたり、複数のコミュニティに共通するテーマを観察することができます。参加者から匿名の通報システムの必要性やリスクに関して個人の意見を述べ、現行の施行と検証のシステムにつきものの欠陥、文脈を察する感受性が求められること、ボランティアにもっと支援がほしいという願望を表明しました。コミュニティには今後も改訂と承認の過程に意義のある役割を持たせるべきだと、多くの参加者が感じています。
円卓会議
UCoC 聴き取りチーム主催のウィキメディアンが参加する円卓会議では UCoC 施行の協議を2021年5月15日から同29日まで行います。各回の会議は90分とし、個別の回に参加したウィキメディアンは平均20-25名で、鍵となる質問やその他の関心のあるトピックを話し合い、新しい発想やインプットを作り出してUCoC 第2フェーズの草稿委員会と共有しました。
円卓会議のハイライトには調停委員会(Arbcom)による複数のプロジェクト施行型のモデルに関し、その可能性と挑戦課題も含まれ、施行プロセスの透明性、システムの生む偏向の話し合い、コミュニティによる UCoC の承認プロセスはどうあるべきか、さらに模範的な施行モデルとその道のりをめぐる掘り下げた対話もありました。
次回の円卓会議は6月12日午前 5:00 UTC 開設の予定ですが
第2フェーズ草案委員会
第2フェーズのユニバーサル行動規範起草委員会(Universal Code of Conduct drafting committee)を召集し、2021年5月13日より作業を始めました。当委員会は委員15名で構成され、そのうち、それぞれ異なる国や地域出身のウィキメディアンは9名で、さまざまなプロジェクトを11以上の言語で編集しています。さまざまなプロジェクトを合計すると、管理者権限は13件、より高度な役務者権限は11件でそのうちグローバル管理者2件、別個のプロジェクトに現職の調停者2名、スチュワード経験者は1名です。
当委員会は現在、チーム起動と能力開発研修を終えて、施行ガイドラインの草稿作りを始めるために使うモジュールや実習へと進んだところです。当委員会の会議の概略はこちらで閲覧と翻訳ができます。
当委員会よりコミュニティに向けて、UCoC 実施に関する勧告の草案を8月初旬に示して査読にかけます。詳細は追ってお知らせします。
ディフのブログ投稿
UCoC 調整役により、ローカル言語の聞き取り調査(2021年第1四半期に実施 Local Language Consultations)に際して知り得た興味深い発見と洞察の投稿が数本、寄せられました。
- 履歴の長いウィキメディアのプロジェクト群と自発的な組織統治 – ポーランド語版の興味深い事例 – 過去20年超にわたり、個別に行動規範の違反に対する広範なシステムを築いたコミュニティが複数ある件
- ウィキメディアという多文化の生態系に UCoC 実施策の是非を問う – 多文化性は UCoC 実施などのように肯定的に働くか ?
- 朝鮮語コミュニティで急増した10代利用者の流入から学ぶこと:実際の貢献者としての扱い方は? – ウィキメディア運動の人口動態を見直す。新世代の利用者から教わることとは?
- 西アフリカのウィキメディアのコミュニティで UCoC の聴き取り調査 – アフリカの数あるコミュニティの特性、大陸としてグローバルな運動に参画していく挑戦。
- ヒマラヤに届いた UCoC – コミュニティが自分たちの言葉で参加できるようにするとどうなるでしょうか? 規模が小さなコミュニティの洞察は、経歴が長く目につきやすいプロジェクト群と比べるとどんな差異があるでしょうか?
- ゲーム化、生クリームと料理本さえあればコミュニティの聞き取り調査は成功か? – ローカルのコミュニティの傘下を進めるにはゲーミフィケーションは使える方法でしょうか? イタリアのコミュニティの事例をご紹介します。
- 沈黙は言葉よりも雄弁 –ウィキメディア運動をめぐる規模の大きな議論になると、なぜかもっとも複合的で多文化なプロジェクトほど発言しなくなる。どうしてなのでしょうか?