Training modules/Keeping events safe/slides/event-organizing-team/ja

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イベントの準備期間: イベントの主催者

  • 責任者を決めてもし事件が起こった場合にそなえてください。最初に対応する人は誰を指名しますか? 通報の受け付け係は? 通報が真実かどうか判断する人は? 通報の対象者を会場から立ち退かせるなど、相手に直接かかわる状況を扱う人は誰に決めますか? いくつもの問題に対処するのに、係員の人数は足りていますか? これらはイベントの準備において重要な業務の1つであり、また、事前にこういう準備をしておくかおかないかで、究極の対応に大きな違いが出ます。
    • 事前に、安全上の事故や不安材料の処理を担当する緊急時対応チームを決めます。理想としては、緊急時対応係員は緊急事態関連以外の任務に当たらせるべきではありません。規模が小さいイベントの場合にはその係員にもほかの役割を兼務してもらう場合があります。
    • 緊急時対応チームに十分な人員を確保してあるかどうか確認。利益相反の状況(万が一、係員が通報の対象者だった場合など)を避けることができます。
    • 可能であれば、緊急時対応チームに係員を2人、配置。事件を処理する人と、その人が負う主な責任をイベントと出席者に引き継ぐ人です。
    • 緊急時対応チームに多様な係員を用意する。イベントの規模が小さい場合、運営チームの人手が足りなくても最低2人、背景が違う人を緊急時対応チームに割り当てます (背景とは文化、民族あるいは単に考え方が異なること) 。これはもし通報者が対応する係に話しにくいと感じた場合に備えるためです。
    • 指定した関係者に職務と責任を割り当てる。形が緊急時対応チームであってもなくても、問題が発生した場合に何をすべきか、全員がおぼえておかなければいけません。
    • 指令の系統をきちんと作る。どんな状況で自分が何をするか、報告先は誰か、関係者全員にきちんと把握させてください。
    • 事態が悪化した段階の手順を決定。イベント組織チームまたは会場の警備員に対して、急いで人手の追加を促す連絡方法を検討してください。ヘッドセットを備えたハンズフリーの携帯電話の使用、公共の場でコミュニケーションが必要な場合に使う暗号を決めて個人情報保護ならびに参加者のパニック回避に役立てるよう検討してください。
  • 緊急時対応チームを告知。他のイベント運営チームに存在を知らせます。安全が脅かされたと特定した場合、どこに連絡するか周知させる必要があるのです。問題をうまく処理するには、報告系統を知っておくことが不可欠です。
  • 緊急時対応チームおよびイベント運営チームの人員を見える化する。この手順は問題をより迅速に処理し、影響を受けた個人が不快感を募らせないようにできます。その方法には(他の出席者と)異なる色のTシャツやチーム別のバッジで役割を示したり、Tシャツの色は統一して異なるデザインをプリントしたり、または異なる帽子の採用があげられます。色分けをする場合は視覚障がいのある参加者にとって見分けやすい色であるかどうか確認してください。
  • 適切なトレーニングを受けさせる。迅速かつ適切に対応する準備は欠かせません。イベント運営チームは緊急時対応チームを設置してメンバーを配属したら、必ず十分なトレーニングを行い、心構えを整えさせてください。毎日、はじめに手順を確認し、対応方法と重要な情報を簡単に思い出させることをお勧めします。オンラインでの嫌がらせのための学習モジュールはオンラインでの対応に焦点を当てているものの、嫌がらせの被害者と対面して対処する場合や通報の取り扱いに関しても優れた資料として使えます。心理面の応急処置という的確なオンライン訓練コースもあります。
  • 会場の安全確保のニーズを評価する。会場を決定する以前:
    • イベントに警備体制が備わっていない場合、イベント組織チームがリスクを評価し、イベントの期間中に警備のサービスを増やすか、アウトソーシングする必要があるか、検討すると役に立ちます。
    • 会場がすでに警備を提供している場合は会場側のイベント調整役と話し合って、イベントのニーズに適した面積と警備方針を確認してください。
  • 重要な情報をそろえて、イベント中に主催者ならびに参加者がすぐに参照できるようにしてください。これには会場の警備、避難ルート、警察の連絡先やホットラインなど、さまざまな詳細な情報が該当します。具体的にどんな情報を共有するか、ウィキメディア財団の「友好的であるべき空間」をご参照ください。
  • イベント会場と部屋割りを計画する。(例えばジェンダーの包括を確保できる隔離室やトイレの割り当て)。嫌がらせ行為の被害者に平穏を取り戻すために使用できる、十分に遮音した安全な空間があることを確認してください。そこでなら落ち着いて不快感をやわらげて、経験した事件の重要な詳細を伝えることができます。
  • 参加者登録リストを審査して、イベント参加を許可されていない参加者を検出します。参加者登録リストに目を配ると早めに対応でき、後の段階で問題の発生を回避することにつながります。詳細はイベント禁止ポリシーならびに関連する手順を参照してください。
  • 行動基準の合意を呼びかける。参加登録期間中の方針(友好的であるべき場の方針ならびに行動規範、さらにローカルのプロジェクトの同等の方針)。 どんな基準を遵守することが期待されているか、参加者に再確認してもらうことができます。
    • またイベントに適用可能な友好的であるべき場の方針の写しを含む安全資料のプリントアウトを準備すると、役に立つかもしれません。参加者が受け取るイベント情報パックまたはIDを受け取るときにこれを渡すことができます。
  • 文書で少なくとも同報先を2名加え、参加登録と参加を拒否されたと思われる人物を知らせてください。

上記はすべて大規模なイベントの場合に想定できます。規模の小さなイベントを開催する場合は、上記の手順の一部を適用しないか可能でないかもしれません。嫌がらせ事件が発生した場合を想定して、現実的な対処と手順を実施するため合理的に努力してください。人は自分に備わった能力の範囲でしか行動できないのです。