Movement Strategy/Recommendations/Improve User Experience/ja
課題
誰もが — 性別、文化、年齢、技術的予備知識やスキル、身体能力に関係なく — ウィキメディア全体で知識の吸収や寄稿といった体験を楽しめるような包括的なプラットフォームを目指し、継続的に設計を改善していきます。
ウィキメディアのプラットフォームでユーザー・エクスペリエンス(UX)が向上することで、より多くの人がプロジェクトに参加し、情報にアクセスし、寄稿できるようになります。そのためUXの向上は開発者、設計者、コミュニティ共通の責務であり、ウィキメディア全体の行動が求められます。この責務のため、人間が中心となって、リサーチや提案、テストそしてその結果公開というプロセスを明確に定義された形で、繰り返しかつ包括的に行う必要があります。
変更と行動
UXの設計プロセスを見直して、ウィキメディアのプラットフォームに存在する問題を識別し、解決法を提案、テスト、改善します。このことを達成するため:
- UXの設計や研究、その結果公開を繰り返し行う。また、そのプロセスに設計者や技術開発者、コミュニティ、ユーザー・プロファイルの代表者が関わることにより、彼らの意識を高め、より良い意思決定を可能にする。
- さまざまなユーザー(上級編集者、技術面での貢献者、およびウィキメディアの目指す多様性を反映した新しいユーザー)とともに、プロダクトの使いやすさをテストおよび検証する。
- 無料のオープンソース・ソフトウェアを使用して、最先端のアクセシビリティ・ガイドライン(ウェブのためのWCAG、W3Cによるモバイル・ウェブ・ベストプラクティスなど)の遵守をサポートする。
- UXの状態についてコミュニティに通知し、ニーズに基づいて協力し、コミュニティの責任ある行動をサポートすることにより、成長・多様化・参加を促し、すべての人が参加できるようにする。
フリーの知識を利用や作成するユーザー、もしくは機能を拡張するユーザーのため、すべてのウィキメディア・プロジェクトを使い易くする手順を作成し、実践に移します。このためには、ウィキメディアのプロダクトとプラットフォーム特有の課題に取り組む必要があります:
- さまざまなコンテクストでユーザーが利用して貢献できるように、幅広いデバイス向けに意図的に設計されたインターフェイス
- オンボーディング・メディアや、各自学習してナビゲートするのに役立つインターフェイスなど、新しいユーザーが容易に見つけ理解できるリソース
- 特定の興味、役割、目的を持つ仲間を見つけることができるスペースと、お互いに影響を与え、協力し、指導するためのコミュニケーション・チャネル
- 評価、学習、改善のためのプラットフォーム機能を記したドキュメントと規格
- 特定の関心や情報のリクエスト、問い合わせのために、複数のプロジェクトや言語を横断する機能を繋げて、ウィキメディアの生態系内の知識をより快適に利用するためのツール
- 新しいWiki提案(新しい言語バージョンを含む)を進め、コミュニティが開発したソフトウェア機能を再利用するための道を開く
- 開発者のツールと高品質のドキュメントによって、使いやすさと効率性を備えたツールを技術面での貢献者が作成および維持できるようにする。
- 私たちのミッションや原則と一致する分野において、大規模ユーザーと協力しながら、ウィキメディアのAPI Suiteを、より包括的、確実、安全、高速にしていく。それにより、直接的なユーザーと間接的なユーザー両方のUXを向上させ、コンテンツの到達範囲や見つけやすさ、データ・リターンの可能性を向上させ、コンテンツの再利用者の属性と検証性の認識と容易さを改善する。
詳細説明
知識を共有し利用するためのデバイスやインターフェイス、手段(例:バーチャル・アシスタント)はかつてないスピードで多様化が進んでいます。今後の変化を理解し、プラットフォームとスペースを適応させて様々なユーザーのニーズに応えることは、ネット上でのフリーの知識の価値を守るため、またウィキメディアのプロジェクトの持続可能性のために不可欠です。
ユーザー・エクスペリエンスの向上によって、コンテンツ、参加規模、多様性も成長するでしょう。ウィキメディアのコミュニティに新たなメンバーが加わることは必要不可欠です。これはウィキメディアのプロジェクトが依存するコミュニティのコア編集者(寄稿と機能的役割の両方の点で)のメンバーに大きな変化が起きていないことを考えると、なおさらです。新しく参加を考えている多くのユーザーにとって、現在のプラットフォームで技術的スキルを習得したり、指針となるリソースを見つけたりすることが困難であることを考えると、新メンバーの加入が一層求められます。ウィキメディアのプロジェクト関連で発展したプロセスやツール、プラットフォーム、通信チャネルにより新規のユーザーはより加速的に学習しました。しかし、この事実に気付いていない上級のウィキメディアンがいるかもしれません。ユーザー・エクスペリエンスを継続的に評価し、より使いやすい製品を達成するためのニーズを特定する最良の方法を探す必要があります。