運動戦略/勧告/反復作業1/コミュニティの健全性/概要

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コミュニティの健全性作業部会は運動全体におけるコミュニティの健全度について、共同研究者との協議、面談、アンケートや既存のデータの分析により情報収集をしてきました。これら情報は分析中ですが、作業部会は下記の暫定的な結論を明確に述べます。

  • コミュニティの健全性に関わる問題は多くのコミュニティから報告があり、課題は以下のとおりです。
    • コミュニティで発生する嫌がらせ行為、経緯の欠落。
    • あからさまないじめ、嫌がらせ行為、差別、特にいわゆる除外された/過小評価されたグループに見られる。  
    • だれがコミュニティの健康に責任を負うか、不明確である。
    • 規則や慣習あるいは規定が不明、もしくはそれらが欠如するため、不適切な言動の指摘や/もしくは既存の規則の適用が一定ではない。
    • 意思決定、コミュニティの協議を、活動歴が長く立場に疑う余地がないとされる貢献者の小グループに占有されている。
    • 問題把握に適した専門知識やツールが不備である。
  • 2030年運動戦略方向性の視点に立つと、コミュニティの健全性に目立つ問題は2件あります。
    • 現状で多様性の欠けたコミュニティにおいて、同等の知識を持つことはできない。
    • 政治的、社会的な変化を受けた貢献者に対し、外部からの訴追もしくは嫌がらせ行為の的となるリスクが高まった場合、ウィキメディアの使命を危険にさらす。

規則や規定、意思決定の過程、主導者

オンラインあるいはオフラインの言動に関する強制力のある規則一式を作り、ウィキメディアの全プロジェクトで施行する (行動規範)

現状において言動の標準が明らかではなく、不適切な言動への対処のはっきりとした基準を示しておらず、良好な作業環境を守り保つ責任は最終的にだれが負うのか、混乱があります。

ウィキメディア運動には、実社会ならびに技術空間の出来事について強制力のある行動規範が存在します。しかしながら私たちの作業あるいは出会いの主な空間には、そのような規範がありません。すなわち、ウィキメディアのプロジェクト群です。

公式、非公式の権力構造を再定義し、コミュニティとコミュニティの健全性に役立たせる

私たちの運動が私たちのコミュニティに意思決定の平等を課す限りにおいて、知識の平等は達成されます。現在の官僚的な構造と意思決定の過程では、コミュニティ内に根付いた非公式な力関係を覆すことはできません (例:経験の長い編集者と初学者の対立、主流派と疎外されたグループの対立、財団と提携団体の対峙など)。あるいはコミュニティのより広い層に向けて、意思決定や統治に参加を促すこともありません。これではコミュニティの健全性を危機にさらします。コミュニティ内にバランスよく権力を分布させると、知識の平等を実現できます。

将来の指導者層を育成し、特に多様性ならびに若返りに力点をおく

健全なコミュニティの礎石として、研修を積み支援を受ける多様な指導者のグループがあげられます。私たちの生態系とプロジェクト群のあらゆるレベルにおいて、ローカルのコミュニティと変わり続ける世相の両方を反映し、役割に応じる準備を整えた指導者が必要です。プロジェクトの使命達成とさらに範囲を広げ、多くの提携組織の指導者には義務化された研修がカギとなります。任期に制限を設けると、ローカルの役職がそれぞれの役割において、奉仕する人々とプロジェクト (群) と同調しているかどうか定期的に再承認を行うこと、また新世代の指導者が出現する機会を設けることができます。

これらの指導者はまた、取りこぼしのないグローバルなコミュニティで今日、私たちが直面する挑戦に取り組み、常に私たちの作業を見直し向上させるため、それぞれの地域で先頭に立ちグローバルなレベルで協調しあいます。

適正で適切な過程を開発しコミュニティのあらゆる衝突に対処

衝突がちっとも解決しないというコミュニティは多く見られます。関与した人はすべて不満を残し、将来的により組織的な対応が求められています。

戦略的な目標を守り、より多くの人々や提携組織を迎え入れると、さまざまな主題に対して異なる意見を抱く多くの人々が加わるため、コンセンサス作りの方策を取り入れることが不可欠で、提携組織や利用者が定着するかどうか非常に重要な要素になります。

多様なコミュニティと成長

取りこぼしのないグローバルなコミュニティに投資

This would support the goal of knowledge equity by supporting people of different backgrounds to contribute and use the platform. A social online movement needs to foster a shared group leadership learning space and experience to build a common experience group identity and direction.

Currently relevant education and training resources are limited and not equitably distributed.

The current community does not have a shared understanding of social dynamics within the ecosystem itself and how it relates to the world at large.

新規参入者は運動の成功のカギであり、喜んで迎える文化をすべてのコミュニティに育てる

新規参入者 (人、コミュニティ、提携団体) は私たちの運動に知識と人々の両面で多様性をもたらします。戦略方向性は知識というサービスと知識の平等を実現するため、新規の利害関係者と新しい形態の知識の双方に手をさし伸ばすよう、ウィキメディアに求めます (knowledge as a service and knowledge equity)。

新機参入者が出会うさまざまな困難は、運動の既存のメンバーが出ったことも、乗り越えてきた経験もないもので、組織のあらゆるレベルにおいて、系統だった評価と意思決定過程への導入が必要です。

新規参入者にとって自分たちの知識を共有する場として、ウィキメディアはオンラインにたくさんある現状あるいは未来の訪問先のひとつにすぎません。そのような人々が既存のボランティアや読者のコミュニティに参加したり、新しいものの創設に加わったりする場所としてウィキペディアが選ばれるためには、それぞれの新規参入者の今の立場に合わせ、ニーズや言語に合致する必要があります。

壁を取り除き「民主化する」 (ウィキペディア/ウィキメディアをすべての人の責任に帰する)

We are assuming barriers are limiting to the success of the wiki community. By not acknowledging barriers and continuing to isolate people, the hopes of the strategic direction will not be recognized.

安全

プライバシーと安全をすべての人に

Privacy and security for everyone entails taking a holistic perspective observing the range extending from readers, who interact with the content we provide to the world, to IP editors, who put themselves at risk in contributing to the movement’s mission, to registered editors and other movement roles with complex needs and challenges they face due to their participation.

The annual Freedom of the Net report 2018 detailed the 13. successive year of internet freedoms being curtailed around the world. The working group projects that these concerning trends will continue around the world.

The Wikimedia movement and its ecosystem depend on and are a key pillar of the free open web facing increased pressures around the world.

安全な方式を開発し、運動において活動する人々を保護

We currently do not have a systematic approach to support users at risk due to their participation in movement activities and lack the essential local capacity to support users as demonstrated in recent events like the political instability in Venezuela and Turkey. We will continue to face state and state-sponsored censorship efforts impacting the movement and currently do not have publicly available material to support contributors who are affected by such measures.

Working with indigenous communities without understanding the impact of such work on these populations could be dangerous as demonstrated from previous work of other civil society organisations. We currently fund various communities to work with indigenous knowledge but we lack a guideline or best practices safeguarding the agency of communities.

コミュニティの健全性を支援する機敏な即応

一点集中型の構造により、なじみを感じ個人に合った方法でコミュニティと個人の健全性を確保すること。

  • コミュニティの健全性作業部会は運動全体のコミュニティの健全性を支援し監視するため、資源と人々を結ぶネットワーク形成を推奨します。コミュニティの健全性を手当てするには、同時進行形で実施し、かつグローバルな運動の構成要素に強く同化させる必要があります。

資源配分とコミュニティの健全性の目標を同調させる

  • あるコミュニティの参加者すべてが資源を確実に平等に利用できるようにする

平等に重心を置いた技術に投資

  • 多様な言語の話者や障がいのある人々、アクセスのレベルが異なる人々に対応できるよう、平等に重心を置いた技術に投資する。