ウィキメディア財団 年次計画/2022-2023/目標4/翻訳と通訳

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点と点を結ぶ

ウィキメディア財団の年次計画の一環として今年は「点と点を結びつける」財団内の取り組みに時間を費やしたい、効率化と取り組みの調整により、リソースを増やさなくても効果を拡大できるコンテンツ領域の特定に重点を置きたいと考えています。

同じ問題を財団の多くの部門で何度も繰り返し、時には似た方法で非効率に、時には特異な方法で解決しています。この分散型の取り組みでは組織全体の波及効果の評価も、経験から学ぶことも困難です。

出発点の1つは、財団全体で翻訳と通訳の支援を改善することです。ウィキメディア財団における現在の資源割り当てに照らすと、ほとんどのチームではすでに相当の言語支援を提供しているとわかります。しかしながら実情はさまざまな外部業者、契約職員やボランティアに分担させています。時間枠や言語、技術的専門知識の関係上、画一的なモデルは使えませんが、より連携したアプローチを用いるとグローバルなコミュニティの価値観に沿った言語サポート拡大のより適切な方法が特定できるはずです。

要員と手順とツール

多言語展開は私たちの運動にとってスーパーパワーです。これまでに財団で実施してきた言語への投資を最大限活用するには、その方策として私たちの多言語化への取り組みに照らして、要員や手順やツール、それらが私たちの努力にどう役立っているか、再検討する必要があります。

点と点を結びつけるこの取り組みには、プロジェクト群に関する知識の翻訳(例えばウィキペディアの記事など)は対象に含まず - その作業は財団の言語チームの担当で対応済み - 財団が運動に向けて発信する広報連絡の言語支援とその改善に焦点を当てます。

多言語に対応する要員や手順、ツールに一貫性をもたらすには、ある程度の時間がかかると承知しています。翻訳と通訳が完璧という状態はありえませんが、ウィキ流のやり方で繰り返し試し、適応させていきます。

翻訳者をプールする

私たちは財団各部署で採用する全翻訳者を単一のネットワークにプールする作業を始めています。これはチームごとに翻訳できる・できない言語の揃え方がバラバラだった状態から、財団全体で一式を用意し、財団内のすべてのチームが申請できる体制を意味します。

2023年1月時点の更新:組織広報連絡の翻訳者ページには対応する全25言語の一覧を載せました(当予算年度初期の6言語から拡大)。組織全体で採用する翻訳者をプールし対応言語数がこれほど増加しました。

2023年7月時点の年度末の情報更新:組織コミュニケーション翻訳者ページには、対応できる30件超の言語を一覧にしてあります(当予算年度の初めには6限言語でした。)対応言語の拡張は、財団各部門でそれぞれに採用していた翻訳者を一堂に集めて実現したものです。


手順の調和

当財団は従来、ボランティアに関連してさまざまな手順を用いてきました。支払額、契約種別など差異は多岐にわたります。今後の数ヵ月でこれらのプロセスの調和を実行します。また従来の用語集の共有と品質管理における試みも拡大を検討していきます。詳細は後述します。

2023年1月時点の更新: The 組織広報連絡の翻訳者ページでは、現在、組織広報連絡の翻訳に使っているプロセスを説明します。部門間で調整を図ってあるため、大部分において単一のフレームワークに従っています。

2023年7月時点の更新: 組織コミュニケーション翻訳者のページに示した定型の手順は、財団全域のほとんどの事例で適用されています。

より好適なツール

現時点では、翻訳の管理に多くの手作業が伴います。今後の数ヵ月でプロセス管理のより良いツールを検討していきます。優先事項は、既存の MediaWiki ツールをより適切に使用してワークフローを管理し、これら既存のツールとリソースに関する研修を財団全体で強化することです。詳細については後述します。

2023年7月時点の更新: 言語チームでは翻訳ツールの改善を、次年度の予算計画に組み込みました。