Grants:Programs/ウィキメディア研究技術基金/ウィキメディア研究基金
対象者は?
ウィキメディア運動に研究上の関心を寄せるグループ、個人もしくは組織
主題は?
その研究提案は一般化できる知識に貢献する、またはウィキメディア研究コミュニティを強化すること
時期は?
手続き期間は5ヵ月未満、年間に1ラウンド
金額は?
2千 - 5万USD
Please note: submissions for the Research Fund are currently closed. Please subscribe to the wiki-research-l mailing list to receive updates about the Research Fund.
助成の対象
研究基金(Research Fund)の支援対象はウィキメディアのプロジェクト群に関する、もしくはその関連を研究の対象とする個人、グループ、組織とします。申請は研究分野の敷居に関わらずお薦めしており、人文科学、社会科学、計算機科学、教育学、法律学を含みこの範囲に限定しません。
研究助成金への応募の途が閉ざされがちな申請者、対象地域が世界でもウィキメディアの研究コミュニティがまだよく認識されていない地域である場合、また提案した企画が ウィキメディア提携団体との共同企画もしくは後援企画を提案し、なおかつ/もしくは直接に肯定的な効果をそれぞれのローカルの、もしくグローバルなコミュニティに及ぼす場合、優先的に支援する所存です。
何が助成の対象か
歓迎される企画提案とは、以下のとおりです。
- 綿密な研究計画であり一般化ができる知識に貢献し、その成果によって私たちが ウィキメディアのプロジェクト群とその影響について理解を深めたり広げたりする、技術および社会技術の解決策を紹介してウィキメディアのプロジェクト群を支える技術の強化につながる企画、ウィキメディア運動を2030戦略的方向性へと前進させる企画です。
- ウィキメディアのプロジェクト群を対象とする研究者のコミュニティの拡充と多様化に取り組む研究計画。
その他の助成目的に関しては、助成金のその他の資源としてウィキメディア・コミュニティ基金ならびにウィキメディア提携基金を含めてご参照ください。
資格の要件
- 個人、グループ、組織が申請できます。各個人は同一の支給期間に3件を上限として申請できます。対象は迅速助成金を含みます。グループもしくは組織の申請は同じく5件を上限として申請できます。
- 申請額は2千アメリカドルを下限とし、上限を5万アメリカドルとします。
- 受給期間は12箇月を上限とします。 提案した企画は2024年6月1日以降に開始し、2025年6月30日以前に完了するものとします。
- 申請者は報告要件に同意し、助成金契約書に進んで署名し、ウィキメディア財団に助成金支給に必要な情報を提示することに同意するものとします。 申請要件の詳細はこちらをご参照ください。
- 調査基金の受給者には全て友好的であるべき空間の方針ならびにウィキメディアのユニバーサル行動規範を遵守していただきます。
- 申請書と報告書は英語ならびにスペイン語で受け付けます。
- 申請を検討される際は、以下の要件の1件でも満たす場合、企画のご応募を禁じます。
支給対象国・地域の要件は、詳細を過年度の支給対象国・地域の一覧をご参照ください。
申請書と手引き
事前に必ず個人情報保護の声明をご検討いただきます。
当財団のステージ I 提出テンプレートを使い、申請書を準備してください。ステージ I の申請書を仕上げる前に、文書を注意してご一読ください。
研究基金は本年分の申請受付を締め切りました。
提案書がステージ II に進んだ場合、申請にはステージ II 申請エンプレートをお使いください。
助成の方法
申請プロセス
- 第1段階
- 研究基金の申請受付に対して、皆さんから提案書を受け付けます。受け付けた提案書は全件を公開、ウィキメディアのコミュニティ参加者ならびに地域基金委員会からフィードバックを集め改善点の提案を受けます。こうしてコミュニティから寄せられた意見を考慮に入れ、研究基金委員会と審査員は提案書全件を評価します。この手順の締めくくりとして、研究基金委員長が申請を受理するか拒否するか最終決定を下します。受理されたすべての申請には広範な評価が追加され、第Ⅱ段階に推されます。この時点で他のすべての申請は却下します。
- 第Ⅱ段階
- ステージ Ⅱ の提出を求められた場合は、提案書を完成させて提出してください。これらの提案書はステージ Ⅰ のものよりも大幅に詳細で予算案完成版を含めて公開します。また、ステージ Ⅰ のメタレビューへの回答も含める必要があります。
審査の手順
審査にはシングル・ブラインド(単盲検)という審査過程を採用し、申請者の身元は明示し、研究基金委員会の審査員は匿名とします。技術審査委員会の担当者は潜在的な利益相反を避けるため、各提案に関連する専門知識を委員長に自己申告します。提案書ごとに3回以上の技術審査を実施します。提案書は審査担当者と技術委員長が議論を交わします。この評価に基づき、各提出物に対して、複合評点と技術委員グループによる包括的な講評を付けます。提案書には関連するウィキメディアの国別・地域別協会または利用者グループから意見を受け付ける場合があります。提案書ごとに、メタウィキに構造化されたフィードバックの過程を作り、ウィキメディアのボランティアのコミュニティから一般の意見受け付けを可能にします。最終決定は研究基金委員長の裁量によりますが、それには技術審査委員長の勧告ならびにウィキメディア提携団体およびウィキメディアの広範なコミュニティのフィードバックと意見を考慮します。
選考基準
以下の基準により提案の選択を行います。
- 研究。提案する企画の第一次の焦点は一般化が可能な知識に貢献することを目的とした研究を実施すること、または研究コミュニティの構築のいずれかを必須とします。
一般化可能な知識に焦点を当てていないため、組織やコミュニティの特定のニーズを追求する研究活動は考慮外です。ご留意点として、第一の目的としてアウトリーチ、技術開発や展開、制度支援その他の研究以外の活動、または特定の組織に焦点を当てた提案は、資金提供がウィキメディア財団が提供する他の基金を通じて行われます。
- 関連性。研究の課題はウィキメディアのプロジェクト群自体またはその関連、またはウィキメディアのプロジェクト群に対して重要性が優れたものとします。
- 影響力。申請された研究の成果が貢献して、ウィキメディアのコミュニティが意思決定をしたり行動を起こし、顕著な影響を実現しやすくなる企画を優先する所存です。特に配慮する申請とは、ウィキメディア2030戦略方向性を直接、盛り込んだ案件(運動戦略勧告を含みそれに限定されない)、またウィキペディアのあまり研究対象にされなかった言語版に関して研究課題に答える案件とします。
- 申請者の活動地域と相当する機関。ウィキメディアのプロジェクト群に貢献する研究者の地理的分布を多様化しようとしており、中南米、アフリカ、東ヨーロッパ、アジアからぜひ申請するよう呼びかけ、これら地域に特段の配慮をします。
- コミュニティ。ウィキメディアのコミュニティが次の段階へ進めるよう、助けになる企画を助成します。提案書のうちウィキメディアの利用者グループや国・地域別協会の役に立ったり協働したりするものを優先します。申請者の皆さんにはこれらのコミュニティ参加者を1名でも2名でも申請チーム要員に入ってもらい、そのグループから上がっている問題点をチェックするには、コミュニティ要望一覧の2019年、2020年、2021年 実施分をご参照ください。
- 実績として関連の学術分野ならびに/または研究プロジェクトならびに/またはウィキメディアおよびフリーな文化のコミュニティに貢献したかどうか。申請者が自己申告を吟味し、申請者の関心分野や技能、技術を理解したいと考えます。
予算
予算総額の上限は5万アメリカドルとし、今季の助成期間に6件以上の助成予算を確保しています。最初の申請書提出の時には詳細な予算表は不要ですが、以下の分類に関する見積額に短い説明を添えて提出してください(該当する場合)。
- 人件費もしくは外注費
- 福利厚生費
- 備品
- ソフトウェア
- オープンアクセスの公表の費用
- 機関としての管理費(総予算の15%)
- その他(具体的に)
ウィキメディア財団の使命は教育に重点を置いており、予算には教員の教育の「悪化」—すなわち教育の低廉化を招くような給与や労力の対価は含めないでください。研究プロジェクト案がバイアウトなしでは絶対に実行できない場合は、予算請求案にその背景を記載してください。研究基金委員会が例外を検討します。
最終的な助成金額は研究基金委員会の裁量に委ねられ、同委員会から最終候補者に連絡し予算削減と作業範囲をそれに比例して縮小をお願いする場合があります。助成金は助成期間の開始時に一括で満額をお支払いします(早ければ2024年5 月)。
倫理事項
申請案件は必ず研究の倫理事項※1を遵守し、人間を被験者とする研究の規範とガイドラインに従っていただきます。倫理事項に関する詳細に関して、執筆者の皆さんにメンロー報告書※2の通読を推奨しており、データ共有の倫理は2007年オールマン=パクソンIMC論文※3を、アルゴリズムの査読に関しては2014年サンドヴィク他論文※4をお勧めしています。最終審査に残った場合、皆さんには発生する可能性のある倫理的課題と、その対処策を提案書に記すことが課されます。助成金の送金は、機関審査委員会※5の審査(該当する場合)を完了したのちに実施します 。(訳注:1=倫理事項principles of ethical research。2=メンロー報告書 Menlo Report。3=オールマン=パクソンIMC論文 Allman/Paxson IMC ‘07 paper)。4=2014年サンドヴィク他論文 Sandvig et al. ‘14 paper。5=機関審査委員会 Institutional Review Board。)
研究成果
研究成果に基づき、ウィキメディアのボランティア主体のコミュニティや提携団体あるいは財団自体が行動を起こしたり再利用したりするには、申請者の皆さんは研究成果のどの部分もウィキメディア財団のオープンアクセス方針を遵守するようお願いしています。申請者には予算額に成果をオープンアクセス形態で公開する経費を折り込むようにお薦めしています。
助成金受給者の皆さんには、MetaWiki:Researchというディレクトリに担当プロジェクトのページを立てて、月に1回、進捗状況を文書化していただきます。さらに、プロジェクト完了時にプロジェクト報告書と予算の決算書の提出にあたり、こちらでご用意するテンプレートを使っていただきます。さらに将来、ウィキメディア研究イベントが開催された機会には、それぞれの研究コミュニティを対象に1件以上の研究発表が課されます。
出版物に載せる助成金 IDならびにウィキメディア財団の言及
助成を受けた各プロジェクトには固有の助成金 ID が付与され、助成金受給者にお知らせしてメタにある各プロジェクトに対応する助成金ページと研究ページに掲載していただきます。 ウィキメディア財団研究基金の支援を受けたプロジェクトは、出版物に次の謝辞を使用するようお勧めします。 この研究は、ウィキメディア財団研究基金の助成金番号 [助成金 ID] により [一部]支援を受けています。著者は[提供いただいた支援]に対して、[ウィキメディア財団、他のウィキメディア提携団体、あるいはウィキメディアのコミュニティ]の[特定の個人またはチーム]に感謝の意を表します。
- 申請の公募、申請に関心のある皆さんとの事務局時間
- 申請の審査第1段階には、机上の判断で除外する条件として、基金の趣旨の範囲ではない、要件に適合しない、技術的な審査、コミュニティによる査読、地域基金委員会の審査を受けます
- 審査通過者の皆さんへ申請第2段階のお知らせ
- 第2段階に進んだ提案の技術的な審査
- 最終決定
重要日程
2023年12月15日
第I段階の申請書提出の〆切
2024年2月13日
第I段階の審査結果を通知
2024年3月18日
第II段階の申請書提出の〆切
2024年4月29日
第II段階の審査結果の通知
いずれも締め切りは各地の現地時間で(en)23時59分とします。
審査の提出
- Funded proposals
- Programs/Wikimedia Research Fund/Wikidata for the People of Africa
- Programs/Wikimedia Research Fund/Development of a training program for teachers to use Wikipedia as a resource for collaborative learning and the development of skills for digital citizenship
- Programs/Wikimedia Research Fund/Wikimedia versus traditional biographical encyclopedias. Overlaps, gaps, quality and future possibilities
- Programs/Wikimedia Research Fund/Cover Women
- Programs/Wikimedia Research Fund/Bridging the Gap Between Wikipedians and Scientists with Terminology-Aware Translation: A Case Study in Turkish
- Programs/Wikimedia Research Fund/Investigating Neurodivergent Wikimedian Experiences
- Programs/Wikimedia Research Fund/System Design for Increasing Adoption of AI-Assisted Image Tagging in Wikimedia Commons
- Programs/Wikimedia Research Fund/Developing Wikimedia Impact Metrics as a Sociotechnical Solution for Encouraging Funder/ Academic Engagement
- Programs/Wikimedia Research Fund/Addressing Wikipedia’s Gender Gaps Through Social Media Ads
事務局時間
研究基金プログラムや提案された研究の関連性について質問したい皆さんには、1対1の相談を予約するようお勧めしています。面談相手の Kinneret Gordon と打ち合わせの予約、もしくはLeila Zia と打ち合わせの予約をしてください。予約の際は、提案中の研究テーマまたは質問内容を記述してください。
お問い合わせ
ご質問は research_fund wikimedia.org にお送りください。
運営委員会
助成委員会共同委員長
- Benjamin Mako Hill(ワシントン大学)
- Leila Zia(ウィキメディア財団)
テクニカルコミッティ主任
- Aaron Shaw(ノースウェスタン大学)
- Miriam Redi(ウィキメディア財団)
ワークフロー主任
- Kinneret Gordon(ウィキメディア財団)
審査員(2023-24予算年次)
- Pablo Aragón (Wikimedia Foundation)
- Akhil Arora (Swiss Federal Institute of Technology Lausanne)
- Pablo Beytía (Pontificia Universidad Catolica de Chile)
- Hannah Brueckner (New York University Abu Dhabi)
- Ana María Castillo Hinojosa (Universitat Internacional de Catalunya)
- Kaylea Champion (University of Washington)
- Giovanni Colavizza (University of Bologna)
- Gianluca Demartini (University of Queensland)
- Djellel Difallah (New York University, Abu Dhabi)
- Shani Evenstein Sigalov (Tel Aviv University)
- David Garcia (Universität Konstanz)
- Martin Gerlach (Wikimedia Foundation)
- Kristina Gligoric (Stanford University)
- Jérôme Hergueux (CNRS)
- Dariusz Jemielniak (Kozminski University)
- Isaac Johnson (Northwestern University, Northwestern University)
- Steve Jankowski (University of Amsterdam)
- Lucie-Aimée Kaffee (Hugging Face)
- Isabelle Langrock (Institut d'Etudes Politiques de Paris (Sciences Po))
- Amanda Lawrence (Royal Melbourne Institute of Technology)
- Florian Lemmerich (Universität Passau)
- Daniele Metilli (University College London, University of London)
- Jonathan T. Morgan (CrowdStrike)
- Animesh Mukherjee (Indian Institute of Technology Kharagpur)
- Sneha Narayan (Carleton College)
- Tiziano Piccardi (Stanford University)
- Paolo Papotti (Eurecom)
- Diego Sáez Trumper (Wikimedia Foundation)
- Cristina Sarasua (Department of Informatics, University of Zurich, University of Zurich)
- Rossano Schifanella (University of Turin)
- Nicole Schwitter (Universität Mannheim)
- Elena Simperl (King's College London)
- Markus Strohmaier (Universität Mannheim)
- Nathan TeBlunthuis (Northwestern University)
- Jacob Thebault-Spieker (University of Wisconsin - Madison)
- Carla Toro (Universidad de Chile)
- Houcemeddine Turki (Faculty of Sciences of Sfax, University of Sfax, Tunisia)
- Nicholas Vincent (Simon Fraser University)
- Andreas Vlachos (University of Cambridge)
- Katrin Weller (GESIS Leibniz Institute for the Social Sciences)
- Jisung Yoon (Northwestern University)