教育/ニュース/2024年4月/ウィキメディア・スペイン協会とアミカル・ウィキメディア、ウィキペディア教育プロジェクトをバレンシア大学と共同開発

ウィキメディア・スペイン協会とアミカル・ウィキメディア、ウィキペディア教育プロジェクトをバレンシア大学と共同開発

この教育関連のコラボ(協働)の成り立ちにはウィキメディア・スペイン協会所属のボランティア、 Luis Ulzurrun 氏と Montserrat Sáez 氏が関与されました。またバルセロナ大学歴史学部の Enric Olivares 教授の指導も受けています。同教授のもと教育指導のフレームワークでは「〈画像の研究、美術史の統合軸として(IV)〉:共同オンライン百科事典を資源として教育と学習の過程における分析と普及に使う」と題して実施しました。

要約: ウィキメディア・スペイン協会アミカル・ウィキメディアおよびバレンシア大学の協働のおかげで、ウィキペディア教育プロジェクト「画像の分析と解釈」が実施中です。バレンシア美術館の収蔵品に関して記事の作成や改稿、翻訳を目指しています。バレンシア大学との共同研究はこれが2回目で、初回は2023年11月に実施しました。
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ウィキペディアの教育系プロジェクトは2つの段階で構成します。一方の第1段階はスペインの大学3年生を対象に、スペイン語で「Historia y gestión del Patrimonio artístico」という科目を出講し履修生が受けました(芸術遺産の歴史と管理)。他方、2番目の科目はバレンシア語で「Anàlisi i Intepretació de les imatges」と題して行い、1年生を対象に想定してまとめたものです(画像の分析と解釈)。

ウィキペディアの教育系プロジェクトの段階

本プロジェクトの連携が始まった2023年11月、大学3年生を対象に「芸術遺産の歴史と管理」というテーマで取り組みました。49件の記事が掲載され、それぞれ独自の芸術要素39件について記述しました。主な話題は保護建造物「Lenguas de Miracle-Gaiato」「Antiguas Oficinas de la Fábrica Refracta」「Aduana Marítima de Valencia」(〈ミラクルとガイアトの舌〉〈耐火煉瓦工場の旧社屋〉〈バレンシア税関庁舎〉)など、あまり知られていないものでしたが、より一般的な「Circo Romano de Valencia」(〈バレンシア円形劇場〉)あるいは、一連の教会や王家の関連(Palacio de los Condes de Cervellón=〈アンナのセルヴェロン伯爵宮殿〉)もありました。地元の祭り、絵画、彫刻も公開しました。

この企画の波及効果として、スペイン語版に記事21件が新しく立ち、それに加えて同18件は拡張しました。対照するとカタロニア語版では新規の記事は6件生まれ、拡張した記事は4件でした。締めくくるなら、参加者は合計56名、内訳は女性40名と男性16名でした。さらにこのグループのうち39名はウィキペディアに下書きをアップロードするか、直接、記事の編集をしました。そのほか、参加者31名は姉妹プロジェクト群でも編集を行い、ウィキメディア・コモンズに載せた新規の画像266件に対して、ウィキペディアで編集した記事と対照できるようになりました。

2024年4月よりプロジェクト第2期を開始し、初年度の主題「Anàlisi i Intepretació de les imatges」(Catalan)を掲げて(画像の分析と解釈)、おもにバルセロナ美術館の収蔵品 - ほぼ絵画作品だけ - に注力します。作品の題材およそ30件を編集し、2言語で2名以上が一緒に作業にあたりました。