Wikimedia Quarto/2/BBC/Ja:
アンジェラ・ビーズリーとジミー・ウェールズは2004年8月にBBCのスタッフにプレゼンテーションを行いましたが、その後11月に、ロンドンのブッシュ・ハウスにあるBBCオフィスへの2週間の招待を受けました。この2週間に、ウィキペディアと他の姉妹プロジェクト、またそれらのプロジェクトが稼動しているメディアウィキ・ソフトウェア、フリーコンテントとオープンコミュニティの原則について、BBC のさまざまな部局のスタッフへのプレゼンテーションが行われました。二人は約150名に話をしました。BBCの2万7千人にのぼるスタッフのなかでは、ごく小さな人数です。プレゼンテーションは、対象者がウィキペディアのコンテンツを利用することによりメリットを得る部門であるか、それともBBCのウェブサイトのコンテンツを作るコミュニティを育てようとしている部門であるかによって異なっていました。
ウィキペディアへのリンクに関しては、ジミーとアンジェラは検索部門および編集方針部門とともに制作者向けのガイドラインを議論しました。BBCが同社の検索エンジンでウィキペディアのページを推薦できない理由があるかどうかを調べました。検索部門のウィキにある現在の状況にあわなくなったページは、「三回クリックしたらそれ以上の閲覧を禁止するルール」によって防げることが示唆されました。しかし新しいガイドラインでは、このようなページへのアクセスは問題にはならないことが示唆されています。
オンラインニュース部門へのウィキメディア・プロジェクトのプレゼンテーションの後では、最近立ち上がったばかりのウィキニュースに関心が集中しました。ウィキニュースの方針や信頼性を保つ方法についてたくさんの質問が寄せられました。現在のところ、ウィキニュースでは、独自の報道よりはすでにあるニュースソースの要約に力を注いでいる旨の説明を行ないました。
ラジオ・音楽部門へのプレゼンテーションの後では、ウィキペディアのコンテンツがサイトでどのように見えるかを示すモックアップが登場し、音楽情報提供会社 Muze から BBC がライセンスしている既存のコンテンツとの比較が行われました。
あとの方では、H2g2 とウィキペディア・コミュニティの違い、そして BBC サイトでのトップダウン手続をいかに和らげることができるかが議論されました。
BBC での最初の週に、ポーラ・ルデューが「クリエイティブ・アーカイブ」について討論するためにやってきました。このアーカイブでは BBC が保存しているテレビおよびラジオの録音や録画を扱っており、クリエイティブ・コモンズのライセンスでリリースする計画を進めています。ライセンスは非商用のものとなる見込で、おそらくはイギリス国内の使用のみに限定されます。かなりの量のコンテンツについては BBC が権利者でなく、フリーなライセンスに対しての関係者の同意を得ることが難しいことが、非商用利用ライセンスを選択する理由のひとつです。
スポーツ部門はウィキペディアのコンテンツの利用にもっとも意欲的と見えます。そしてまた自身のコミュニティを形成することにも意欲的です。スポーツ部門ではマイナーなスポーツのコンテンツをもっと持ちたいとしており、こうしたスポーツのファンがウィキによってコンテンツを増やせるようにすることで、コスト的にもっと効率よく、マイナースポーツに関するコンテンツを増やしていく方法を知ろうとしています。
『英国人の戦争』のウェブサイトは編集のドアを閉じようとしています。このプロジェクトが終了したときに、このサイトについての計画がどのようなものになるかについて、議論を行いました。このサイトで提供する「ストーリー」の寄稿者は、コンテンツを BBC が任意のライセンスでリリースすることを許諾するという条項に同意してはいますが、GFDLによってリリースし、不適切な仕方でコンテンツを使わせる潜在的な可能性を含めることは、投稿者のコミュニティにとって受け容れがたいであろうと思われました。代替案として、既存の「ストーリー」を静的に保つ一方、寄稿者はサイトの構築を続けることができ、メタ情報と事実関係の情報を付け加えられるようにすることなどが提案されています。