ウィキメディア財団2019年中期事業計画/世界中の読者層
ウィキメディア運動が変わらず持続し力を保てるかどうか、ウィキメディアのプロジェクト群の利用者次第で、もっと具体的にはウィキメディアのコンテンツの読者にかかっています。ウィキメディアコミュニティ内では、読者と持続可能性の関係が比較的よく理解されています。コンテンツの正確性と品質は毎日プロジェクトを訪れてプロジェクトに参加する多くの人々に依存しており、読者数が膨大であることと、ウィキメディアの信用と信頼性の維持は不可分です。同様に、私たちの寄付者のモデルは小規模寄付者が優勢であり、ウィキペディアを読み、価値を見いだす人々の幅広いグループに依存しています。
あまりよく知られてませんが、ウィキメディアがより広くフリーな知識の使命と行動計画を推進し、その使命とビジョンの声明に沿った能力を伸ばす上で、読者層は重要です。プロジェクトの人気が高まるにつれ、ウィキメディアのコミュニティは世界的な地位、影響力と権威を増してきました。プロジェクトの人気によりプラットフォームができ、ウィキメディアコミュニティは価値と使命に合わせた幅広い問題に取り組んでいます。これには他の知識機関として、文化や教育および研究のコミュニティを含む提携関係も該当します。文化および市民に関連する権利、知りたいことを調べたり集団を作る自由、プライバシーを守り、創作する権利などの向上に取り組みます。
ウィキメディアがフリーな知識を発展させ続けるには、私たちの運営するプラットフォーム上で、またより広汎なウィキメディア運動とその使命を通して、グローバルに読者数を維持し伸ばしていく必要があります。つまり読者との関与度が高い場所では安定状態を保つこと、ウィキメディアの認知度が低くあまり使われていない場所では関与度の向上に努力することを意味しています。2030年には、アジアとアフリカに世界人口の80%が住むようになると見込まれ—いずれも現在、ウィキメディアで最も読者層が薄い地域です。この格差を埋めるとは、フリーな知識を広めるという使命の達成であり世界に役に立ち、そして世界の人々の手で構築することにほかなりません。
この優先事項は、私たちがあまり知られておらず読まれていない世界の地域で、人口増加とウィキメディア読者拡大の格差を埋めるため、実質的な進歩の達成を目的とします。そのかたわら、現在、私たちのコンテンツや影響力、貢献の大部分の根源である中核市場においても、きちんと関わりを保ち活気を盛り上げていきます。この優先課題により製品開発を幅広く促進できますが、ブランドとマーケティングの実質的な要素も備えており - これらの重要な機能を構築しないままで、目標達成はありえません。
成果
1. コア製品群に、増分であっても有意義な変更を加える。
対応する優先課題:活発なウィキメディア運動、ブランドの認知度、グローバルに支持される。
- 最初の12〜18カ月をかけ、優先事項を定着させます。ブランドプログラムと協調して重要なデザイン変更を進め、ウィキペディアは時流に合っていてどこでもアクセスでき、楽しくて役に立ち信頼できる知識の源であると世界に知らせていきます。財団はデータ機能の継続的な改善を担い、消費パターン(プロジェクトの使われ方およびコンテンツが再利用される場所の両方)の理解を深めるとともに、ウィキペディアの認知度向上とサイトへのトラフィック誘致に努めます。 私たちはフォームの要素を見つけるために実験を続け、新興コミュニティに向けたコンテンツを構築し、その中で新しい読者に効果的なものに力を注ぎます。
2. コア製品の経験を実質的に拡大する
対応する優先課題:活発なウィキメディア運動、ブランドの認知度、グローバルに支持される。
- この優先課題ではコア製品のより深い進化に焦点を当て、コモンズやウィキデータ、ウィキソース他のプロジェクトから生まれたコンテンツを、ウィキペディアに統合していきます。これには編集者が使う豊富なオーサリングツールおよびコンテンツ作成メカニズムをともないますが、それらはAI基準のコンテンツ生成、構造化データ、リッチメディアの新機能に基づいて生まれ、記事の形式を新しい動的な知識の経験で強化します。これまでの実験から、フォームの新しい要素が生まれるという成果が得られました。2021年、20歳の誕生日を迎えるウィキペディアの新しい時代の出発を祝い、これらの開発をご紹介する予定です。
3. フリーな知識のパラダイムを変える
対応する優先課題:活発なウィキメディア運動、ブランドの認知度、グローバルに支持される。
- ウィキペディアは常にウィキメディアの使命と運動の原動力であり続けます。そのプラットフォームとしての強みとは、誰でも使用できる知識をインターネット上のあらゆる場所で、明確で簡単で識別可能な方法で広めることであり、それをさらに強化していきます。私たちの技術的エコシステムに役立つインターフェースをさらに発展させると、ウィキメディアサイト内外で一般の人々や機関、あるいはウェブサイトや機械がすべての知識の合計を作成、共有、アクセスできるようになります。それは真の意味で「フリーな知識の基盤」となることを意味します。
評価指標
今後5年をかけて読者数を約20%増加させるため、ページへの反応と個別のデバイス数の比較(消費されたコンテンツと訪問者数のプロキシを利用)を測定します。結果は順次実施されるので、それらを年ごとの目標値と対比してマッピングしました。
1. コア製品群に、増分であっても有意義な変更を加える。
- 1年目、2年目に月平均コンテンツ対応を7%増加
- 小計: 上限16.6 億から17.8 億 (7%)
- 中心的なマーケット: 上限12.2 億から12.8 億 (4.5%)
- 新興のマーケット: 上限4.4 億から5 億 (14%)
- かつ月平均の一意のデバイス数 9% (認知度向上活動によりわずかながらユーザー/相互作用の増加をもたらすという前提による)
- 小計: 上限1.5 億から1.6 億 (4.6%)
- 中心的なマーケット: 上限1.01 億から1.06 億 (5%)
- 新興のマーケット: 上限517 百万から608 百万 (17%)
- 外部の再使用を計測し、適切な目標測定指標の定式化に取りかかる予定
2. コア製品の経験を実質的に拡大する
- 3年目と4年目に月平均コンテンツ対応を9.3%増加 (製品の新機能により消費増大を見込みます)
- 小計: 上限17.8 億から 19.4 億 (7.7%)
- 中心的なマーケット: 上限12.8 億から 13.5 億 (6%)
- 把握が不十分なマーケット: 上限5 億から 5.9 億 (18%)
- かつ月平均の一意のデバイス数 7% 増加
- 小計: 上限1.6 億から 1.8 億 (7%)
- 中心的なマーケット: 上限1.06 億から 1.12 億 (6%)
- 把握が不十分なマーケット: 上限608 百万から 670 百万 (10%)
- 外部の再使用増加の目安は 10%
3. フリーな知識のパラダイムを変える
- 5年目に月平均コンテンツ対応を7.7%増加
- 小計: 上限19.4 億から 20.3 億 (4.5%)
- 中心的なマーケット: 上限13.5 億から 13.8 billion (2.5%)
- 把握が不十分なマーケット: 上限5.9 億から 6.4 億 (13%)
- かつ月平均の一意のデバイス数 5% percent
- 小計: 上限1.8 億から 1.9 億 (5%)
- 中心的なマーケット: 上限1.12 億から 1.15 億 (2.5%)
- 把握が不十分なマーケット: 上限670 百万から 731 百万 (9%)
- 外部の再使用増加の目安は 20%