戦略/ウィキメディア運動/2018-20/勧告/反復作業3/安全とセキュリティを確保
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他の勧告との関連
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この勧告はウィキメディア運動の利害関係者について、基本的な必須条件としての安全と安心確保の構想を示します。ここにおいて心身の健康、安心と安全、保護ならびに運動のあらゆる参加者のプライバシーを尊重し、他の推奨事項全てに織り込まれるものとします。 |
利害関係者すべての保護について、さまざまな環境に即応する文脈の評価を基盤とする、方針と手続きを確保しなければなりません。参加者が脅かされる状況を予防し対応できるよう、充分な安全策を確約することが肝要です。必要な資源はすべての利害関係者に開放し、それぞれのコンテクストで自らを守るため、必要なインフラストラクチャを活用できるようにしなければなりません。
なぜ?
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地勢上の緊張から個人の自由やインターネット利用が制限を受けることがしばしばあり、多様でグローバルに適切な運動であり続けるには、安全安心の保証が欠かせません[1]。政府による規制や脅迫を受けるコミュニティは少なくなく、孤立感を強めたりウィキメディアへの投稿が身に危険を及ぼすのではないかと心配しています[2]。運動の活動に参加するとリスクを抱えてしまう貢献者を支援する体制は現状では存在せず、それぞれのローカルな体制として、投稿者の匿名性を担保する本質的な能力が欠けています[3]。私たちが取りこぼしのない存在を目指し将来の新規コミュニティ( future communities)を歓迎するのであれば、仕組みとして安心と安全をはばむバリアをゆるめる必要があります[4]。 世界のオンライン人口の増加と、ウィキメディア運動が関与を望む地域のあいだに構造的格差が存在し、ますますかけ離れようとしています。その一因として、脅威や危険が表面化するという理解の欠落であり、その範疇はオンラインの嫌がらせ行為[5]からいじめ[6]さらに法的訴追のいずれにおいても、ウィキメディアのプロジェクト群への参加が該当する可能性があります。これとは別に、脅威をみきわめ一時的にせよ危険をおよぼす状況への対処に求められる行動を知らないことが挙げられます[7]。場合によってはこれら脅威の根幹に不安定な政治状況があり、国家による検閲[8]、個人に対する法的処分へと発展する可能性を秘めています。 これらを除く場合には、寄稿者もしくはプラットフォームそのものに危害を加えたり圧力をかけて内容を変更させようと企てる個人や集団の存在が考えられます[9]。それら脅威の影響は自殺他殺など、人命を損なう深刻な事態を招きかねません[10]。匿名性、個人情報保護法を確保し、個人情報の不法な露出やつけ回しやなりすましなどの行為を通報しても必要な保護策にアクセスできるようにするには、コミュニティを強靭化し将来の拡張性、さらには運動の持続可能性を担保するものです[11] 。私たちのプロジェクト群への参加において、いかなる暴力もまったく許さない点の確認し合うことが重要です。 |
その方法は?
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貢献者の皆さんが個人あるいは集団として、セキュリティの脅威にさらされることなく活動できるように、いくつかの行動に基づいた取り組みを推奨します。言動に関する方針の明確化と、コミュニティとの協議を経て地元の文脈に適応させたユニバーサルな行動規範の策定、それに準拠したどのような言動が受容されるのか、運動全般にとって欠かせない定義となります[12]。さらに内部の関係性に対する行動規範ばかりでなく、外部要因に対抗する保護と安全の手続きを概論するシステムが求められます。このシステムは多様な文脈における研修ニーズの評価を含み、その対象には研修の実施ならびに技術的な解決策に加え、緊急対応システムの開発が含まれます。 We must establish a methodology of documenting the different contexts in which volunteers contribute, the current threats that might be encountered while contributing, and communication channels available in stakeholders’ environments.[13] Based on those findings, we need to develop a digital security plan that includes processes to protect the safety and security of our stakeholders, as well as emergency procedures to follow if the need arises. It must be widely available and include best practices on suicide prevention and support for vulnerable consumers of knowledge.[14] We must offer training, as needed, to raise awareness and build response capacity to provide ways to safeguard the privacy and security of those contributors who put themselves at risk or face complex challenges due to their participation.[15] For prevention, we need built-in platform mechanisms aimed at anonymization. When that is not possible, we must disseminate knowledge among contributors on preserving their anonymity through external mechanisms (such as VPN, IP masking, Tor, etc.), which might require some technical support and personalized training.[16] Equally, training needs to be established for volunteers and staff dedicated to trust and safety (including members of communities, such as administrators or Arbitration Committee members) in order to provide psychological and resource support to participants.[17] In the event of an emergency, we need to have a clear, rapid response and support infrastructure ready and easily accessible, so that editors have available resources to mitigate harm, such as psychological support (e.g., psychologists, mediators), legal assistance (e.g., list of partner lawyers, facilitation of legal representation at a local level), or a fast-track escalation path in life-threatening situations. These might also include procedures for reacting to large-scale challenges, like Internet access shutdowns.[18] 特定の地域の利用者が投稿する場合、どのようなリスクが関わってくるか運動全体で把握する必要があり、またそのような会話については公共的な中立性のバランスに配慮が必要です。しかしながら効率性の観点から、(新興の地域的組織もしくは他の知識を担保する存在について) 地域ごとの法を理解し文化の特異性に高度な配慮ができる利害関係者により、研修やサポートの仕組みを提供する必要があります。地域的組織とは、安全とセキュリティのガイドラインならびに手順を活発に適用し評価する参加者を指します[19] |
- すべての運動の利害関係者を対象とした行動規範とその施行/解決プロセス/手順を中心に、 明確さと透明性[20]を醸成します。その礎としてユニバーサルな「行動規範」universal Code of Conduct を置き、運動のすべての層で紛争解決の実行可能な構造を確立します[21]。
- コンテキスト化された環境と参加者のニーズの分析をもとに、技術や人間および法律の支援プロセスを編成するセキュリティ計画を策定し、すべての利害関係者の身体および精神の幸福、安全性、セキュリティ、匿名性、プライバシーを保護し、 緊急時に従うべき迅速な対応手順を備えます[22]。
- ウィキの内外で容易にアクセスできる事案報告・支援システムを確立し、利害関係者が自分自身を守り予防措置を講じ、自分たちのセキュリティや安全性、幸福やプライバシーに迫る脅威を軽減する解決策を提供します[23]。