IP編集:プライバシー保護と荒らし行為軽減

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IP 不可視化とは何か、ウィキメディア財団が IP アドレス群を不可視化する理由は?

IP 不可視化(IP masking)とは未登録の編集者の IP アドレスを一部もしくは全桁、ウィキメディアのプロジェクト群で全ての人から不可視化することで、スパムや荒らしや嫌がらせ行為、偽情報の対策者を除外します。

現状では、ウィキメディアにアカウントが未登録またはログインしなくても、どなたでもウィキメディアのウィキ群を編集可能です。これらプロジェクト群の背景でメディアウィキというソフトウェアが走り、公開のログに皆さんの IP アドレスを記録しています。誰でも皆さんの IP アドレスを探すことが可能です。

ウィキメディアのプロジェクト群には、IP アドレスを補完し公開するだけの正当な理由があります。私たちのウィキから荒らしや嫌がらせ行為を締め出すために重要な役割があるためです。

しかしながら、皆さんの IP アドレスは編集作業を行なっている地点を割り出したり、利用者個人もしくは使用する機器の検出に使われないとも限りません。これは、皆さんが編集している領土で私たちのウィキ群を芳しくない(controversial)とみなしている場合には非常に気がかりなことです。IP アドレスを公開すると、他者が使用者の位置を探すことを許すことにつながります。

個人情報保護をめぐる法規類や標準類の変更(例:General Data Protection Regulationとそれに始まる個人情報保護に関するグローバルな対話)に照らし、ウィキメディア財団法務部門(Legal team)は利用者の個人情報保護のため世間一般から IP アドレス群を保護すると決定しました。しかしながら、ウィキ群の保護を目的としてそれらの閲覧が必要な人には、今後もアクセス権を付与します。

この変更により、現行の荒らし対策の作業手順に影響が出ることは承知しています。IP アドレスの秘匿化後は、荒らし、なりすまし、編集者同士の衝突、その他の良くない行為者を識別してブロックするツールへのアクセスを維持し、あるいはツールの開発に尽力する所存です。

製品と技術の更新

実装の戦略と次の段階(2022年2月25日)

みなさん、こんにちは。IP アドレス非表示の実装戦略について情報を更新します。

まず最初に、このページを開いたりフィードバックを送ってくれた皆さんに感謝します。多くの皆さんから、このページは難しくて読みにくいと言われたので、修正に取り組んでいます。自分の時間を割いて、このページと付属のトークページに載せた情報に目を通してくださり、ありがとうございます。トークページに投稿されたコメント全てに目を通しており、実施計画が発表する前に検討します。

これにも前段となる説明をつけるなら、まだ答えの出ていない質問はたくさんあるとお伝えします。このプロジェクトにはまだ長い道のりが待ち受けており、今後も協議が始まるごとに、ぜひみなさんからご意見をお寄せくださるようお願いします。未読の場合はまずIP アドレスへのアクセスを今後もできる人に関する投稿を読んでから、以下の記述に触れるようお勧めします。

実施案は2件、提示したわけですが、コミュニティからは賛否両論が混じったフィードバックを受け、どちらにも明確な合意形成が欠けていると指摘されました。トークページの投稿から、一部を引用して転記します。

  • 小規模ウィキの場合、IP 基準の取り組みの方が向いていて、別人の利用者ふたりが同一の IP を使うとは考えにくく、IP アドレスを操作する荒らしでクッキーを除去したなら最も対処が難しい。
  • セッション単位のシステムの方が有効に思えるし、匿名編集者との連絡には使いやすいです。私個人は英語版ウィキペディアの管理者として、IP 編集者とのやりとりの中心は荒らしの巻き戻しと警告をしています。最近のいくつかの事案では、受信者が果たして当該の人物かどうか疑わしかったため、わざわざ警告することすら留意しませんでした。別の一件ですと、特定の変更の提案について協議をしようとしたところ、複数の IP アドレス利用者との対話になり、対話の相手にそのことを確認したものの、同一の人物を相手にしているのかさえ不明のままで終始しました。
  • ドイツ語版ウィキペディアの管理者をしているのですが、ここに示された2案(IP アドレスを基準とする識別 VS セッション単位の識別)について、明確に前者を支持します。ブラウザのプライベートモードを使ったりクッキーを除去したりするのは簡単ですから(私自身、いつもそうやっています。)IP アドレスの変更には、少なくとももう少し手間がかかるし、すでにオープンプロキシの利用禁止は方針に決めてあります。Beland はセッション単位の検証方法の方が、善意の匿名利用者との連絡がしやすいと言っており、その点は賛成しますが、それだけでは論拠として十分ではないです。
  • セッション単位の方法がよいです。匿名利用者で規定を守っている人(legitimate)を特定して連絡を取るのに役に立つからです。それでも、これは同時に荒らしフィルタにオプションを作って、単一の IP アドレスから発信した複数の新規セッションを検出できるようになりませんか。それらは規定を守ったかもしれないけれど(例えば発信地が学校)、ほぼ荒らしまたはボットの活動でしょう。もう一つ、誰も言及していなさそうな機能について述べておきます。特定のセッション利用者がアカウント登録を希望するとき、新規に選んだ利用者名は、既定としてそれまでのセッション ID の改名手続によって付けるべきだという点です。新しく利用者名付きになっても、それまでのセッションの活動を閲覧し、そして/またはその利用者と関連づけることが私たちには必要だからです。
  • どちらかと言えば、たとえ暗号化されていても、IP アドレス基準の特定が良いかな、クッキーは扱いがややこしそうだしポップアップをいちいち消すのもめんどくさいからです(ヨーロッパじゃ当たり前に出てくる)。今日まではそれでも良いかと思っていたんだけど、もし利用者名を使った編集がしたくてログインをする以外は、ウィキペディアを使うのにクッキーを除去しても不自由しないと気づいたので。
  • 純粋にセッション基準のブロックを行えるなら、現状の IP アドレス + セッションのブロックの方式として興味深いアップグレードだと思います。IPv6 利用者との連絡をするのにセッション単位なら、何度も変わってしまう IP アドレスを追っていくより有益だと思います。

まとめとして、セッション単位の方法への主な反論はクッキーは簡単に除去できる点、当該利用者は簡単に正体を変更できる点です。

IP 基準のアプローチに反対する主な議論は次のとおりでした。

  • 暗号化方式が破られる可能性はあり、そのため IP アドレスの操作も成立し得る
  • このアプローチだと、匿名編集者とのより良い意思疎通の役に立たない
  • セッション単位のブロックができない(IP 基準のブロックと重複して適用できない)

上記に立脚し、また財団技術部門との協議でこの実施策の実現可能性と広範な影響を考えたところ、セッション単位の取り組み方を採用し、さらに自分のクッキーを除去し正体を変える利用者の問題を表明するよう、ある範囲の重要な留意点を加筆しました。特定の利用者が繰り返し利用者名を変更した場合、インターフェースのその他の情報を閲覧すると正体を紐付けすることが可能です。これがどのように作用するか、現在も細部に手を入れており - それでもなりすましの検知とよく似る(一部の自動化を盛り込む)ものと見込まれます。

私たちは多くの技術的な詳細を検討しており、より詳細な情報をまもなく更新する予定です。 これには、LTAドキュメント、IPに関するコミュニケーション、編集フィルター、サードパーティWiki、ガジェット、ユーザースクリプト、WMFクラウドツール、IP利用者の権利の制限などが含まれます。ご意見とフィードバックをトークページにてお待ちしております。

IP秘匿と手順の変更 (2021年12月9日更新)

9 December 2021 Update
IP秘匿に関して二つの個別の取り組みを考慮し協議しました。その経過報告として複数の別個の作業手順が提示され2種類の実施案に適合してそれぞれがどのように変化するか考察しました。

注記 いずれの選択肢でも管理者、スチュワード、チェックユーザー、IP閲覧者権限のある利用者が例えば最近の変更や編集履歴において荒らし対策のためIP秘匿を解除することが可能です。

非登録利用者の編集体験

現在の挙動:現状では非登録の編集者はログインをしないまま編集が可能です (ほとんどのウィキに該当。) 編集の前に表示されるバナーにはIPアドレスは公開して保存され永続的に開示されると書いてあります。

IPに基づく識別:非登録の編集者は現状のままの編集ができます。編集の前にメッセージが表示され、編集は暗号化したIPアドレスに紐つけされると書いてあります。IPアドレス自体は管理者と巡回者には可視化されます。期間限定で保持されます。

セッション基準の識別:これは上記に類似し、編集者には各自の編集が自動生成された利用者名に紐付けされると表示される点が異なります。

非登録編集者を話題にする

現在の挙動:非登録編集者はIPアドレスを手がかりに、または長期の不正利用の記録がある場合はその挙動に基づく命名がされます。

IP基準の識別:巡回者と管理者はIPアドレスを公開の場で言及できませんが、秘匿IPアドレスもしくは長期間の荒らし行為者の名称を呼ぶことは認められます。IPアドレスにアクセス権のある他者とIPアドレスを共有することは許可されます。

セッション基準の識別:巡回者と管理者は公開の場でIPアドレスに言及することはできませんが、自動生成された利用者名を呼ぶことは認められます。アクセス権がある他の人とIPアドレスを共有することはできます。これにより特定の行為者を識別する助けになりますが、同時に利用者名の背景に複数のIPアドレスがある場合は混同されやすく、これは現状で特定のIPアドレスの背景にどれほど多くの個人が存在するかと同様です。この懸念を軽減するため、特定の編集者が活動した複数のIPアドレスをすべて表面化するツールを開発中です。

非登録利用者のトークページ体験

現在の挙動:非登録編集者は各自のIPアドレスに対応するトークページにメッセージを受信できます。編集者のIPアドレスが変わるたび、その新しいIPアドレスのトークページでメッセージを受け取ります。これは対話を分断し特定の非登録編集者との意思疎通の継続を難しくします。

IP基準の識別:この実施策では挙動は現状のまま変わりません。非登録の編集者は各自のIPアドレスのトークページにメッセージを受信し、IPアドレスが変わるたび、対応するトークページも変更されます。

セッション基準の識別:この実施策では、非登録編集者は各自のブラウザにあるクッキーに関連づけられたトークページにメッセージを受信できます。IPアドレスが変わっても、各自のトークページでメッセージを受け取ることが可能です。ブラウザのクッキーを消去すると、セッションの識別子を失い、新規のクッキーを受け取りそれに対応してトークページも変わります。IPの変更はクッキーよりも頻繁であるため、特に意図した場合を除くと、多くの利用者は結果として半永続的なトークページを使い続けることになりがちです。もう一つ利点をあげるとすると、トークページ宛のメッセージはどのような想定でも、間違った相手に届いてしまう事態はなくなるはずです。

 
トークページに届く通知

非登録編集者をブロック

現在の挙動:管理者は特定のIPアドレスまたは帯域を直接、ブロックすることが可能です。それに加えて、エンドユーザーのブラウザに特定のクッキーを持たせて自動ブロックに昇華させ、たとえIPアドレスが変わっても編集を阻止することもできます。この機能は数年前に導入済です。

IP基準の識別:挙動は現状のまま変わりません。IPアドレスは既定で秘匿され、権限を付与された管理者および巡回者にはアクセスができます。

セッション基準の識別:この実施策はIPアドレスに基づく現状のブロック挙動を維持できます。さらにクッキー基準のブロックに限定して実施することもできます。この方法は複数人で機器を共有する場合 (シナリオ) に役立ち (図書館やネットカフェなど) IPアドレスまたはその帯域をブロックして発生する不要な巻き添えの予防に役立ちます。ここで指摘するべきは荒らしが経験を積んだ編集者でクッキーブロックの回避を心得ている場合、これは役立たない点です。

IP 秘匿の実施のアプローチ(よくある質問)(2021年10月更新)

October 2021 Update
IP秘匿には複数の実施策が提示されており、この「よくある質問」では、コミュニティの皆さんがいだくであろう疑問に回答し、それぞれがコミュニティに及ぼす影響を説明します。

Q:IP秘匿の実施策に従った場合、IPアドレスを見ることが可能なのは誰ですか?

A:チェックユーザー、スチュワード、管理者の皆さんには個人設定に同意条件があり、個人情報はそれを知る権限がない誰にも他言しないと同意してオプトインする限り、IPアドレスが全ケタ表示されます。

荒らし対策に協力する編集者はコミュニティの信任を得るものとし、作業継続のためにIPアドレスを見る権限を付与されることがあります。この利用者権限とはコミュニティに付与される他の利用者権限と同様に扱うものとし、編集回数ならびに編集活動日数の下限を通過済みであることが条件です。

特定の期間にわたりアカウントを登録してきた利用者で編集回数の下限 (定義待ち) を超えた人は全員、権限がなくても部分的に秘匿されたIPアドレスを閲覧できます。これは特定のIPアドレスは文字列最後の8ケタ (またはその倍数) – が非表示になります。これは個人設定の条件を介して有効になり、この情報へのアクセス権限がない人にこの情報を他言しないことに同意するものとします。

その他の利用者の皆さんには非登録利用者の IP アドレスは表示されません。

Q:技術的な実装として選択肢はありませんか?

A:この2週間にわたり、いくつかの協議に参加し読者と編集者の皆さんに及ぶ影響を最小化しつつ IP 秘匿化の目標達成に沿う技術的な可能性を探ってきました。異なるチームを横断してフィードバックを集めたところ、幅のある味方を集めることができました。以下にキーとなるポイントを2点、上げます。

  • IP基準の識別:このアプローチでは、現状のままを保持し既存のIPアドレスと秘匿したIPを置換します。これは既存の作業手順の大部分を保ちますが新規の利点はもたらしません。
  • セッション基準の識別:このアプローチでは非登録編集者のブラウザのクッキーに基づいた識別子を生成し、使用機器のブラウザを識別します。IPアドレスが変更されてもクッキーは保持されてセッションは分断されません。

Q:IPアドレス基準の識別はどんな仕組み?

A:現状では、アカウント非登録の編集者の識別は IP アドレスを基準にしています。この方式はこれまで、私たちのプロジェクト群で長年、有効でした。IP アドレスに精通した利用者の皆さんは、単一の IP アドレスの帯域幅に制限されるものの、複数の異なる利用者が使うことを理解しています。この条件は IPv6 に関して、IPv4 よりもさらに当てはまります。

非利用者はまた通勤通学中に編集する、あるいは場所を移ると IP アドレスが変わリます。

IP秘匿においてIP基準の識別策を追い求める場合、単に暗号化された識別子を付与して秘匿することで現状のIPアドレスの機能を保持する可能性もあります。この解決策は個別のIPアドレスを保持しつつ利用者の個人情報保護を持続します。一例として、非登録利用者として例えば利用者:192.168.1.2 はUser:ca1f46として表示されます。 この対策の利点: 既存のワークフローやモデル(作業手順や型式)を変えず混乱を最小に低減できる点

この対策の欠点: 世界がもっとダイナミックな(広帯域の)IP へ移行しており/(識別の)役に立たない IP アドレスが増える傾向において利点がない点

Q:セッション基準の識別はどんな仕組み?

A:非登録編集者に新しい識別子を生成する道であり、当該者のブラウザのクッキーを基準にします。このアプローチでは利用者名を自動生成し、編集や挙動が紐付けされます。一例として、利用者:192.168.1.2 には利用者名として利用者:Anon3406を付与するという形式です。

このアプローチではクッキーを保持する限り利用者のセッションは保持され、IPアドレスが変更されても分断されません。

この対策の利点:

  • 利用者の識別を機器のブラウザと紐付けし、当該者とのより継続的な意思疎通の方法を提供します。
  • 利用者識別は IP アドレスを変えても変更されない点
  • この実施策は現状ではログイン利用者に限定して付与される特定範囲の個人設定を非登録編集者にも利用できるようにします。
  • この対策だと非登録編集者が永続するアカウントに変換して同時に編集履歴を保持できる点

この対策の欠点:

  • 現在、未登録編集者が表すもののモデルが大幅に変わる点
  • 非登録編集者の識別はブラウザのクッキーが変更されない限りにおいて持続
  • 秘匿モードあるいはクッキーを消去する荒らしはIPアドレスを変えず新しい識別子を付与されます
  • コミュニティにおけるワークフローやツールを根本から検討し直す必要が生じる可能性

Q:財団が優先する道順もしくはアプローチ (取り組み方) はあるかどうか?

A:採用したいアプローチはセッション基準の識別法で、将来性が広く見込めるからです。20年にわたって遭遇した意思疎通の問題を述べることができます。誰かがクッキーを消去して新しい識別子を手に入れたとして、そのIPアドレスは活動中で新しい利用者権限を付与された荒らし対策者全員に可視化されます。IPの変更よりもクッキー消去の方がずっと簡単な点はもちろん認識しており、その影響も尊重します。

IP アドレスにアクセスする必要がある人と共有する提案(2021年6月10日)

10 June 2021 Update

Hi everyone. It has been a few months since our last update on this project. We have taken this time to talk to a lot of people — across the editing community and within the Foundation. We have put careful consideration towards weighing all the concerns raised in our discussions with experienced community members about the impact this will have on anti-vandalism efforts across our projects. We have also heard from a significant number of people who support this proposal as a step towards improving privacy of unregistered editors and reducing the legal threat that exposing IPs to the world poses to our projects.

When we talked about this project in the past, we did not have a clear idea of the shape this project will take. Our intention was to understand how IP addresses are helpful to our communities. We have since received a lot of feedback on this front from a number of conversations in different languages and in different communities. We are very grateful to all the community members who took the time to educate us about how moderation works on their wikis or in their specific cross-wiki environment.

We now have a more concrete proposal for this project that we hope will allow for most of the anti-vandalism work to happen undeterred while also restricting access to IP addresses from people who don’t need to see them.

I want to emphasize the word “proposal” because it is in no way, shape or form a final verdict on what will happen. Our intention is to seek your feedback about this idea – What do you think will work? What do you think won’t work? What other ideas can make this better?


これらのアイデアは、経験豊富なコミュニティ参加者と何回か話し合って着想し、法務部門と協力して洗練させました。概要は次のとおりです。

  • Checkusers, stewards and admins should be able to see complete IP addresses by opting-in to a preference where they agree not to share it with others who don't have access to this information.
  • Editors who partake in anti-vandalism activities, as vetted by the community, can be granted a right to see IP addresses to continue their work. This could be handled in a similar manner as adminship on our projects. The community approval is important to ensure that only editors who truly need this access can get it. The editors will need to have an account that meets some threshold of time since registration (threshold is yet to be decided) and number of edits (number is yet to be decided).
  • All users with accounts that meet some threshold of time since registration (threshold is yet to be decided) and number of edits (number is yet to be decided) will be able to access partially unmasked IPs without permission. This means an IP address will appear with its tail octet(s) – the last part(s) – hidden. This will be accessible via a preference where they agree not to share it with others who don't have access to this information.
  • All other users will not be able to access IP addresses for unregistered users.

IP address access will be logged so that due scrutiny can be performed if and when needed. This is similar to the log we maintain for checkuser access to private data. This is how we hope to balance the need for privacy with the communities’ need to access information to fight spam, vandalism and harassment. We want to give the information to those who need it, but we need a process, we need it to be opt-in so that only those with an actual need will see it and we need the accesses to be logged.

We would like to hear your thoughts about this proposed approach. Please give us your feedback on the talk page.

  • What do you think will work?
  • What do you think won’t work?
  • What other ideas can make this better?

IP編集を禁じたポルトガル語版ウィキペディアのデータ

Portuguese Wikipedia’s metrics following restriction

30 August 2021 Update

Hello. This is a brief update about Portuguese Wikipedia’s metrics since they started requiring registration to edit. We have a comprehensive report on the Impact report page. This report includes metrics captured through data as well as a survey that was conducted among active Portuguese Wikipedia contributors.

All in all, the report presents the change in a positive light. We have not seen any significant disruption over the time period these metrics have been captured. In light of this, we are now encouraged to run an experiment on two more projects to see if we observe similar impact. All projects are unique in their own ways and what holds true for Portuguese Wikipedia might not hold true for another project. We want to run a limited-time experiment on two projects where registration will be required in order to edit. We estimate that it will take approximately 8 months for us to collect enough data to see significant changes. After that time period, we will return to not requiring registration to edit while we analyse the data. Once the data is published, the community will be able to decide for themselves whether or not they want to continue to disallow unregistered editing on the project.

We are calling this the Login Required Experiment. You will find more detail as well as a timeline on that page. Please use that page and its talk page to discuss this further.

Portuguese Wikipedia IP editing restriction

Update
ポルトガル語版ウィキペディアは昨年、プロジェクトの編集から非登録編集者を追放しました。直近の2、3ヵ月にわたり、当チームでは当該プロジェクトにおけるこの措置の反動と全般的な健全性のデータを収集しています。またコミュニティの複数の参加者から経験を聞き取りました。現在、すべてのデータを集計して当該プロジェクトの現状を正確に表現する最終段階にあります。近日中に情報更新ができるよう願っています。

ツール

Tool development

ツール開発は 02 に更新

As you might already know, we are working on building some new tools, partly to soften the impact of IP Masking, but also just to build better anti-vandalism tools for everyone. It is not a secret that the state of moderation tools on our projects doesn’t give the communities the tools they deserve. There is a lot of scope for improvement. We want to build tools that make it easier for anti-vandalism fighters to work effectively. We also want to reduce the barrier to entry into these roles for non-technical contributors.

We have talked about ideas for these tools before and I will provide a brief update on these below. Note that progress on these tools has been slow in the last few months as our team is working on overhauling SecurePoll to meet the needs of the upcoming WMF Board elections.

IP Info feature

 
Mockup for IP Info

We are building a tool that will display important information about an IP address which is commonly sought in investigations. Typically patrollers, admins and checkusers rely on external websites to provide this information. We hope to make this process easier for them by integrating information from reliable IP-vendors within our websites. We recently built a prototype and conducted a round of user testing to validate our approach. We found that a majority of the editors in the interview set found the tool helpful and indicated they would like to use it in the future. There is an update on the project page that I would like to draw your attention to.

Key questions that we would like to have your feedback on the project talk page:

  • When investigating an IP what kinds of information do you look for? Which page are you likely on when looking for this information?
  • What kinds of IP information do you find most useful?
  • What kinds of IP information, when shared, do you think could put our anonymous editors at risk?

Editor matching feature

This project has also been referred to as "Nearby editors" and "Sockpuppet detection" in earlier conversations. We are trying to find a suitable name for it that is understandable even to people who don't understand the word sockpuppetry.

このプロジェクトは初期段階にあります。ウィキメディア財団研究部門に既存のプロジェクトは同様の編集行動を示した編集者2人の検出に役立つかもしれません。これにより自動生成された個別のアカウント利用者名で編集した場合、複数の未登録編集者を紐付けするのに役立ちます。1年前にこのプロジェクトについて協議を始めた当初は、支持する声を多く聞きました。また、そのような機能の開発にまつわるリスクも耳にしました。近々、試作版を作成してコミュニティと共有したいと計画しています。このプロジェクト用にプロジェクトページを設け、まだ内容は豊かではありません。近日中に情報更新ができるよう願っています。

Update 01

Like mentioned previously, our foremost goal is to provide better anti-vandalism tools for our communities which will provide a better moderation experience for our vandal fighters while also working towards making the IP address string less valuable for them. Another important reason to do this is that IP addresses are hard to understand and are really very useful only to tech-savvy users. This creates a barrier for new users without any technical background to enter into functionary roles as there is a higher learning curve for them to work with IP addresses. We hope to get to a place where we can have moderation tools that anyone can use without much prior knowledge.

The first thing we decided to focus on was to make the CheckUser tool more flexible, powerful and easy to use. It is an important tool that services the need to detect and block bad actors (especially long-term abusers) on a lot of our projects. The CheckUser tool was not very well maintained for many years and as a result it appeared quite dated and lacked necessary features.

We also anticipated an uptick in the number of users who opt-in to the role of becoming a CheckUser on our projects once IP Masking goes into effect. This reinforced the need for a better, easier CheckUser experience for our users. With that in mind, the Anti-Harassment Tools team spent the past year working on improving the CheckUser tool – making it much more efficient and user-friendly. This work has also taken into account a lot of outstanding feature requests by the community. We have continually consulted with CheckUsers and stewards over the course of this project and have tried our best to deliver on their expectations. The new feature is set to go live on all projects in October 2020.

The next feature that we are working on is IP info. We decided on this project after a round of consultation on six wikis which helped us narrow down the use cases for IP addresses on our projects. It became apparent early on that there are some critical pieces of information that IP addresses provide which need to be made available for patrollers to be able to do their roles effectively. The goal for IP Info, thus, is to quickly and easily surface significant information about an IP address. IP addresses provide important information such as location, organization, possibility of being a Tor/VPN node, rDNS, listed range, to mention a few examples. By being able to show this, quickly and easily without the need for external tools everyone can’t use, we hope to be able to make it easier for patrollers to do their job. The information provided is high-level enough that we can show it without endangering the anonymous user. At the same time, it is enough information for patrollers to be able to make quality judgements about an IP address.

IP情報に次いで私たちは類似の編集者検出機能 (finding similar editors feature) に取り組む予定です。チェックユーザーと協働して構築する機械学習モデルを採用、過去のチェックユーザーのデータに基づく訓練をして利用者の言動と2人以上の利用者が非常に類似した言動を示したというフラッグを比較します。このモデルは利用者が活動したページ類、記述のスタイル、編集した時間帯などを考慮し、2人の編集者の類似度を予測します。モデルが可能な限り正確であることを確認するには、相応の注意を持って実施しています。

Once it’s ready, there is a lot of scope for what such a model can do. As a first step we will be launching it to help CheckUsers detect socks easily without having to perform a lot of manual labor. In the future, we can think about how we can expose this tool to more people and apply it to detect malicious sockpuppeting rings and disinformation campaigns.

詳細のご参照とコメント投稿は当プロジェクトのツールページにお寄せください。

研究

IP masking impact report

IP addresses are valuable as a semi-reliable partial identifier, which is not easily manipulated by their associated user. Depending on provider and device configuration, IP address information is not always accurate or precise, and deep technical knowledge and fluency is needed to make best use of IP address information, though administrators are not currently required to demonstrate such fluency to have access. This technical information is used to support additional information (referred to as “behavioural knowledge”) where possible, and the information taken from IP addresses significantly impact the course of administrative action taken.

 
A Wikimedia Foundation-supported report on the impact that IP masking will have on our community.

On the social side, the issue of whether to allow unregistered users to edit has been a subject of extensive debate. So far, it has erred on the side of allowing unregistered users to edit. The debate is generally framed around a desire to halt vandalism, versus preserving the ability for pseudo-anonymous editing and lowering the barrier to edit. There is a perception of bias against unregistered users because of their association with vandalism, which also appears as algorithmic bias in tools such as ORES. Additionally, there are major communications issues when trying to talk to unregistered users, largely due to lack of notifications, and because there is no guarantee that the same person will be reading the messages sent to that IP talk page.

In terms of the potential impact of IP masking, it will significantly impact administrator workflows and may increase the burden on CheckUsers in the short term. If or when IP addresses are masked, we should expect our administrators' ability to manage vandalism to be greatly hindered. This can be mitigated by providing tools with equivalent or greater functionality, but we should expect a transitional period marked by reduced administrator efficacy. In order to provide proper tool support for our administrators’ work, we must be careful to preserve or provide alternatives to the following functions currently fulfilled by IP information:

  • ブロックの有効性と傍系の見積もり
  • Some way of surfacing similarities or patterns among unregistered users, such as geographic similarity, certain institutions (e.g. if edits are coming from a high school or university)
  • The ability to target specific groups of unregistered users, such as vandals jumping IPs within a specific range
  • Location or institution-specific actions (not necessarily blocks); for example, the ability to determine if edits are made from an open proxy, or public location like a school or public library.

未登録利用者の一時的なアカウントもしくは識別子をどう処理するかによって、未登録利用者との意思疎通を改善できる場合があります。IPを秘匿してもログアウト中にプロジェクトを編集できる機能を維持するなら、下地として未登録の編集や匿名の荒らし行為をめぐる根本的な議論や懸念も、未登録利用者に対する偏見も大幅に変わる可能性はほとんどありません。

チェックユーザーの作業手順
新しい Special:Investigate ツールを設計するにあたり、さまざまなプロジェクトでチェックユーザーに何度か聞き取り調査をお願いしました。その結果と実際の事例の段階的な分析(walkthroughs)を受け、チェックユーザーの業務ワークフローを大きく5分類しました。
  • * 評価:当該性と複雑さについて案件を評価。(トリアージ=Triaging)
  • 人物像の作成:複数アカウントの背後にいる特定の利用者を確定するため、行動パターンを作成。
  • 検証:チェックユーザー・ツールを使い、複数のIPアドレスとユーザーエージェントを調査。
  • 判定:この技術的な情報と、人物像の作成手順で得た行動パターンの情報を照合し、どの管理者行動を取るべきか、最終決断に役立てる。
  • 終了:公開の場と必要に応じて非公開の場で調査結果を発表、将来的に使えるように情報を適切に過去ログ化する。

信頼安全チーム (※1) から応援を得てチェックユーザー・ツールがウィキメディア財団による究明やT&S案件まで遡上する要素となるか感触を得ました。 (※1T&S=Trust and Safety)

チェックユーザーツールの直感的でない情報表示に加え、リンク単位で新しいタブを開かせるという仕様こそ、最もありがちで明白な問題点に結びついています。開いたタブはたちまちすごい数に達して手に負えなくなり、大混乱を引き起こします。さらに悪いことにチェックユーザーが抽出する情報は高度に技術的でパッと見では把握しづらく、タブを簡単には追跡できません。聞き取り調査に応じた人は全員、情報を追跡するには別のソフトウェアを使ったり、または物理的に紙にペンで書き留めるなど手段に頼っていると述べました。

またあわせて英語版ウィキペディアのソックパペット究明(※)ページを対象に解析を行い、基本的な指標として処理した件数、ボツになった件数、特定の通報に何件のソックパペット (なりすまし) が含まれるか割り出しました。(※=Sockpuppet Investigations)

巡回者が IP アドレスを利用
これまで私たちのプロジェクトにおける巡回の調査は一般に巡回者の負担する作業量もしくは作業手順 (workload or workflow) に焦点を当てました。直近ではウィキペディアの巡回調査の焦点は巡回者の作業手順、現行の荒らし対策の慣行に潜む脅威の特定に着目しました。さらに前の調査では、一例として新規ページの巡回調査 (New Page Patrol survey) ならびに巡回者の作業量調査 (Patroller work load study) は英語版ウィキペディアを対象に実施しました。また巡回者の作業手順に限定して、より具体的にはボット巡回ツールが巡回者の作業量に与える影響も調べます。

調査の対象は以下のウィキ5件としました。

  • 日本語版ウィキペディア
  • オランダ語版ウィキペディア
  • ドイツ語版ウィキペディア
  • 中国語版ウィキペディア
  • 英語版ウィキクオート

They were selected for known attitudes towards IP edits, percentage of monthly edits made by IPs, and any other unique or unusual circumstances faced by IP editors (namely, use of the Pending Changes feature and widespread use of proxies). Participants were recruited via open calls on Village Pumps or the local equivalent. Where possible, we also posted on Wiki Embassy pages. Unfortunately, while we had interpretation support for the interviews themselves, we did not extend translation support to the messages, which may have accounted for low response rates. All interviews were conducted via Zoom, with a note-taker in attendance.

Supporting the findings from previous studies, we did not find a systematic or unified use of IP information. Additionally, this information was only sought out after a certain threshold of suspicion. Most further investigation of suspicious user activity begins with publicly available on-wiki information, such as checking previous local edits, Global Contributions, or looking for previous bans.

IP アドレスの情報に関しては、精度と正確性の重要度は低めです。特定の IP 情報サイトを選んだ場合に同一の IP アドレスに対して地理的位置を3種類返してきたとして、私たちの聞き取り調査の協力者の一人の言葉を借りるなら、地理的1の精度は定量制と比べると重要度が低いのです。それは言い換えるなら、特定の IP アドレスが毎回、特定の国から発信していると示す限り、正確か制度はどうかはあまり重要ではないとのことです。これは IP アドレス情報がどのように使われるか、私たちの理解に沿っています。単一の機器もしくは人物に関連づけた情報としてはやや特定性を備え、一般の人にはそれを誤魔化すことはかなり困難であると言えます。利用者に関連づけた情報は、関連性を備えていて変更が難しいという点が重要であり、その精度あるいは正確性はそれよりも重要度が低いのです。

私たちが気づいたことから IP アドレスの情報ツールの鍵となる設計要素に光を当てました。

  • 生データが一眼で判断できる結果を示すべき
  • IP アドレス情報の鍵となる要素を以下のようにまとめる。
    • 地理的位置(可能な場合は都市もしくは地域レベルで)
    • 登録された組織名
    • 接続の種別(トラフィックが多いデータセンターや携帯機器のネットワークか少ない住宅地のブロードバンドか)
    • プロキシのステータスを yes または no の二元で示すべき

倫理上の留意点として、どんな結論もどのような経緯でそれに至ったのか、IP 情報の抽出にありがちな不適切さないしは不明確さを説明することが重点として求められます。意見を聞いた巡回者からこれを大きな心配事としてあげた人はいませんでしたが、管理上の操作を正当化する(justifications)ツールを作成するのであれば、私たちのツールに備わった限界を注意深くはっきり示さなければなりません。

ウィキメディア財団法務部門の声明

Updates

2021年7月
まず一連の協議にご参加いただいた皆さんに謝意を表します。この対話に参加するについて細部への目配と深慮遠謀をされ、時間をとってくださった点、質問を発して懸念をあげ、秘匿 IP の導入を成果させる複数の導入方法の提案をありがとうございます。本日はこのプロジェクトが始まった経緯とこの作業を想起させたリスク群の詳細に少し踏み込んでご説明し、これまでに寄せられた質問のいくつかに回答すると共に、次の段階を短く述べたいと考えます。

背景

ここに至る過程を説明するために、少し時間を遡ってみましょう。ウィキペディアとその姉妹プロジェクト群は、永続するように構築されています。あらゆる知識の総体を共有するとは、単年でも10年かかってもあるいは私たちが生きているうちに完成するものではないはずです。それでもコミュニティと財団の使命は永続するものとして定められたにせよ、それらを可能にする技術構造も組織統合の仕組みも、それぞれを設計した時点のものに過ぎません。多くの機能は時間の流れに耐えて栄えてきましたし、それらが機能する文脈は変化してきました。現在から遡る20年の間に、多くのことが進化しました。社会がインターネットとどう付き合い利用するのか、オンラインのプラットフォーム運営に影響を与える規制や方針、また特定のウェブサイトに利用者が寄せるデータ処理への期待感などです。

この5年に限定するなら、利用者も政府もオンラインのプライバシーと個人情報の収集、取り扱い、共有をますます心配するようになりました。いろいろな面でプロジェクト群はインターネットの他を抜いています。利用者が無料の知識を共有し消費する鍵は、個人情報保護と匿名性にあります。財団は利用者情報をわずかしか収集しないことを長年保っており、登録にあたってメールアドレスは不要で、IP アドレスを個人情報と認識しています(たとえば2014–2018年版個人情報保護をご参照)。より最近ですと、個人情報に関する議論が熱くなるにつれ、新法の導入や最善手法の見直しが行われています。EUで2018年5月に発効した一般情報の保護規定を見ると、個人情報の理解と使われ方について、それを抑制するどんな権利を個人が持つべきか、世界的な対話の基調を示しました。この2、3年に世界各地で情報保護の法制が変わってきました—たとえばブラジルやインド、日本あるいはアメリカ合衆国における対話や法案、新法の範囲を見ておくべきです。

法的なリスク

財団の個人情報担当(Privacy team)は私たちの行動評価と将来への計画に目配りして、常にこの対話を注視しています。私たちの役務は現在のプロジェクトを見つめることで、対象者が将来の法的社会的な枠組みへとどのように備えていくか、私たちの支援の方法を評価することにあります。数年前のことですが、この作業の一部として匿名の投稿者の IP アドレスをめぐる現行のシステムを評価し、変更が必要だと結論しました。この方法で利用者の情報を公開すると対象者にリスクが発生すると確信します。多くの人はリスクを予想せず—プロジェクトで帰属(Attribution)とは何でどのような仕組みか表示してあっても、プライバシー担当には編集を行なった利用者から、変更履歴に自分の IP アドレスが載っているのは快くないという問い合わせが多く届きます。その中にはプロジェクト群の評判が(訳注:政治的に)芳しくないと見なされる地域にいる人もあり、IP アドレスが開示されていては、政府による弾圧の的にされはしないかと心配する人がいます。将来を見通した法的な枠組みを施行しており、これら IP アドレスの公開は、プロジェクト群にとっても利用者にとっても実質的な脅威をもたらしかねません。

私たちのもとには複数の皆さんから、次のような質問が寄せられており、このプロジェクトを想起させた法的なリスクについてもっと深く理解したいという声、財団は現状で法的な係争に面しているのか、IP アドレスを秘匿化しなかった場合に想起される成り行きは何かなどの問い合わせでした。(これらの質問の多くは この節の終わりに置いた展開式の表にまとめてあります。)残念ながらこれ以上の詳細を述べることは差し控えるほかなく、リスクのいくつかは詳細を秘匿する(keep privileged)必要があるためです。「秘匿する」とは弁護士が特定の事項を部外秘にする必要があり、その理由としてそれを開示すると被弁護者に害悪が及ぶ可能性があるためです。このように秘匿を解除することは非常に稀です。複数の国や地域でこれを法体系の原則としており、存在する理由は大変に実務に沿っていて—被弁護者の保護のためです。ここでは、秘匿の解除とその情報の露出により当該プロジェクトと財団に害が及ぶことも考えられます。一般に、法務部門(Legal Affairs team)は可能な限りその業務の透明性を保持します。しかしながら、私たちの法務戦略の要諦として、どの事案もケースバイケースで取り組むようにしています。秘匿情報をめぐって特定の論議を立てるなど、あるいは係争中にどのリスクが最も起こりうるか、公の場で協議するなら、それはプロジェク群およびコミュニティに害を与えようと画策する誰かのために、みすみす道順を指し示すことになりかねません。

上述に基づき、このリスクをさまざまな角度から熟考し、世界のさまざまな国や地域の法的ならびに政治的な状況を考慮に入れ、IP アドレスが公開のオーバーサイトからの懸念や要請に配慮した結果、ログインしていない(訳注:匿名の)利用者の IP アドレスは今後、公に閲覧できないようにしなければならないこと、その大きな理由としてそれを使って特定の利用者もしくは特定の機器を特定できる可能性があり、そのため匿名の利用者を識別して位置を特定しオンウィキ(訳注:ウィキ上)の活動と紐付けするために利用されかねないからです。

一方でこれらの懸念はあるものの、他方では IP アドレスは荒らしや不正行為と対抗する利用者にとって、プロジェクト保護において大きな部分を占めることも理解しています。この問いは全体を見回してこそ、発するべきと理解します。だからこそウィキメディア財団のさまざまな部署から人を集めて作業部会を組み、この問いをじっくり考えて上席の幹部へ推奨したわけです。IP 秘匿をめぐる意思決定がなされたとき、全員がコミュニティに諮るべきだとわかっていました—皆さんの意見と発想を取り入れてこそ、この移行を成功に運ぶことができるはずだからです。

ここで強調しておきますが、IP アドレスを秘匿し新しいツールが荒らし対策を行う皆さんを支援するようになっても、当プロジェクトを単純に閉じることはありません。これは繰り返し作業の過程であり—何が有効で何がそうでなかったか、皆さんのフィードバックを募集し、新しいツールの改善により皆さんのニーズに適合させていく所存です。

質問

この何ヵ月かに皆さんから質問を受けても、しばしば、ご期待のレベルに達する、特に法務関係の案件に関して詳細な回答をご用意することができませんでした。

Q:法務関係のリスクって、具体的に何が懸念なのですか?
A:私たちが評価している個別の法的リスクについて、詳細を開示することは禁じられています。質問をしたのに単に「それは特権事項です」などと答えを聞かされても、モヤモヤするばかりとは理解します。申し訳ないことにこれ以上の詳細を提供できないのですが、上記で説明したようにリスク評価の詳細、将来的に予見する潜在的な法的問題は秘密にしておく必要があり、それらの詳細の開示にはプロジェクト群やコミュニティ、財団に害を及ぼそうとする誰かにその方法を示唆する可能性があるためです。

いくつかの質問には確定した回答があります。

Q:このプロジェクトは進んでいるのですか?

A:はい、前進していますし、非ログイン貢献者の IP アドレス秘匿化に最適な方法と、なおかつコミュニティがプロジェクト群を保護する能力維持のため、発見したことや実施したことを伴っています。

Q:この変更は場所によって実装に差をつけることは可能ですか?

A:不可能です。全ての利用者の個人情報は同じ基準に従って保護するよう励み、ウィキメディアのプロジェクト群でおしなべて変更します。

Q:もし非ログイン貢献者に関するその他の情報が開示されちゃった場合 (地理的位置やISP)、IP アドレスも公開したって問題ないでしょう?

A:それはちょっと違います。新制度では、開示の対象は個人もしくは個別の機器に結びつかない一般的な情報とし—例えば都市レベルの位置情報や特定の大学にいる誰かが特定の編集を実施したと示すことはできます。これらも特定の利用者に関する情報ではありますが、IP アドレスと比べると特定性も単一性も低いものです。すなわち不正行為防止のためにある程度の情報を開示するものの、ある特定の貢献者の個人情報保護に関しては、より良い対処ができます。

Q:あなたの IP アドレスを開示しますよと伝えれば、それで十分では?

A:不十分です。上述のように、自分の IP アドレスが開示されてしまい、これまで多くの人が戸惑ってきました。それに加え、その通知を誰かが実際に見たとしても、財団には当該者の個人情報を適切に取り扱う法的責任があります。現行の個人情報保護の最善手法に適合させるため、かつまた (訳注:開示により) 当該の利用者に及ぶ危険を含めて創出するリスク群を根拠に、非ログイン投稿者の IP アドレスは開示してはならないと結論します。

Q:秘匿化は CC表示-継承帰属に何か影響しますか? (※=著作権の規定:CC-BY-SA attribution)

A:IPマスキングはウィキペディアのCCライセンスの帰属に影響しません。ウィキメディアのプロジェクト群で文章対象の3.0ライセンスでは既に、帰属には「元の作成者 (Original Author) の名前(または該当する場合は仮名)」(4c節のライセンス参照)として示してありIPアドレス自体ではなく IP 秘匿構造の利用は仮名同等に機能します。IPアドレスは、時間の経過とともにすでに変化したり別の人に割り当てられたりする可能性があるため、非登録編集者のプロキシとして使用してもIP秘匿構造と品質に違いはなく、両方ともライセンスの仮名構造の条件を満たします。それに加え、利用規約第7項の定めによりウィキペディアへの寄稿の一環として、編集者は(記事の変更履歴を含む)記事へのリンクを十分な帰属方法とすると同意しています。

また場合によっては特定の質問に対する回答がまだなく、それは解決策を皆さんと共に探したいからです。

Q:この新しい利用者権限を申請したい人には、どんな資格要件がありますか?

A:年齢制限があります。具体的な制限内容は協議中ですが、見通しとして若くても16歳に達している人になりそうです。加えて、現に活動しており、コミュニティの堅実な参加者として定評があることが求められます。皆さんと共にその意味するところを完成させる所存です。

これらの変更を準備するチームでは秘匿されたIPアドレスにアクセスするにつき、新しい利用者権限を設ける提案をしていると理解しました。法務部の見解をお聞きしたいのは、特定の利用者名秘匿のIP全文字列にアクセスする件に関して非公開の個人情報守秘義務契約に定める非公開の個人情報の構成要素となるかどうか、またこの新規の利用者権限を希望する利用者には非公開個人情報へのアクセスに関する方針の特定の版に署名を求められますか?
1 肯定する場合チェックユーザーである私自身と現行の義務契約署名者がしているように、この新しい利用者権限の保持者たちと登録アカウントおよびそのIPアドレスを話題にすることは認められますか?
2 否定する場合、私たちが非公開とはみなさない情報に関してこれだけの手間をかける理由を説明できる人はいませんか?
3 いずれの場合も、チェックユーザーは登録アカウントと非登録の利用者名秘匿との関連性を開示することを許されますか?(※=訳注:上記質問の想定を)

A:とても的確なご質問です。回答として想定の※1一部は肯定されます。まず第一に権限にアクセスできる人は皆、この情報にアクセスする目的がプロジェクトにおける荒らしと嫌がらせ対策を目的とすることをなんらかの方法で正式に認めなければ※2なりません。この承認をどのように行うか具体策を検討中で、アクセスを得る手順は非公開の個人情報同意書に署名を求める手順よりも簡素化する見込みです。(※:1=訳注。2=acknowledge。)

これがチェックユーザー (CU) に及ぼす影響に関しては、現状、非公開の個人情報へのアクセスの方針において相手が同様にその情報を閲覧できる場合、非公開の個人情報を共有しても良いとしています。そこで特定のCUが他のCU (たち) と作業を行うためデータを共有できます。ここではログイン利用者と非ログイン利用者の明確な区分は保たれ、CU はログインした利用者のIPアドレスの情報を、新規にこの権限を付与された利用者と共有できないものとし、理由は新規にこの権限を保持する利用者にはその種の情報へのアクセス権限がないからです。

現在のスキーム (scheme 制度) でも、CUが非ログイン利用者のIPアドレス表示を選択していると仮定すると、同様にIPアドレス表示を選び、他のCUが秘匿化した非ログイン利用者とゴルイン利用者の関係を示すIP情報を共有できます。またログイン利用者と匿名利用者の関連性を検出し新しい権利を持った利用者に示すこともできます。 ただし、それでもCUはログイン利用者のIPアドレスを直接、CUではないが新しい権限のみ得た利用者と共有できません。

もし左記では実効性がないと思われたら、ぜひその旨をお聞かせください。上述のとおり、詳細を判断しようとしており、皆さんのフィードバックを得て、きちんと役に立つものにする所存です。

次のステップへ

今後、4、5ヵ月を費やして作成中もしくは作成予定のツールに関し、より細部の計画と試案 (prototypes) を開示します。その節には、これらプロジェクト群を保護する新しいツールについて皆さんのフィードバックを募集したいと考えます。予定です。今後とも皆さんから寄せられた質問にできるだけ回答するよう努め、どの段階で共に最適解に到達すべきか、皆さんのお考えをお聞きする所存です。皆さんのフィードバックにより、非ログイン編集者の個人情報のより良い保護を計画でき、それと同時にウィキメディアの利用者やサイトの保護を犠牲にせずに済みます。どうか皆さんの発想、質問をお伝えください、今後ともこのプロジェクトへのご関与をよろしくお願いできませんでしょうか。

2020年10月
ウィキメディア財団法務部によるこの声明は特定のトークページに寄せられた要請に応じ、その文脈に立って記してあります。目につきやすいようにするため、ここに再掲し皆さんにはご一読をお願いします。

皆さん、こんにちは。法務部 (Legal Affairs team) よりご連絡します。まず、丁寧なコメントをお寄せいただいた皆さんに御礼申し上げます。ただ法律家として、時には私たちの考えを微細に公表することが不可能である点をご理解願います。しかしながら拝読したみなさんのコメントや観点は、おかげさまで財団へ助言をするについてたいへん有益です。

場合によって私たちの作業もしくは団体に対する進言の細部は、法曹家がその業務において情報を取り扱うべき方法を規定する法的倫理の決まりならびに法的特権に縛られこれらを秘匿する必要があります。私たちの思考の細部、特定の事項に対処したりしなかったりする理由を具体的に述べることができず、事例によっては非常にもどかしいことを認識しており、本件も例外ではありません。常に詳細を開示することはできないものの、最終的な目標は財団が関連法を遵守するのと同時に、最大の努力を尽くしプロジェクトとコミュニティを保護することにあることを確証します。

法務事案部門では個人情報グループにて財団がホストするサイト、私たちのデータ収集と取り扱いの実務について、関連法に準拠し、私たち独自の個人情報関連の方針、個人情報に関する私たちの価値観に照らして合致しているか検討を担当します。貢献者も閲覧者も個人情報は世界中でフリーな知識の創生、共有、消費に必要と信じています。その作業の一環として、第一に関連法に照らし、利用者のさまざまな質問やご懸念やご要望から得た情報や、公共方針の懸念、組織としての方針、業界のベストプラクティス(最善手法)を突き合わせて、財団の個人情報関連の措置の方向づけを支援します。これらを聞き取り、個人情報とその関連の課題に対処する財団の取り組み型の指針としてとるべき法的戦略を策定します。この固有の事例では、これら要素の慎重な考慮の結果、 ログインしない編集者の IP をウィキメディアのプロジェクト群を訪れる誰からも秘匿する努力へと導かれました。この決定の背景にあった審議もしくは内部の協議および分析の内容は、上記の法的倫理と特権の関する議論が論拠となり具体的に詳述することはできません。

この処理の細部については、柔軟に取り扱われるべきとここで改めて強調します。目標達成には、コミュニティの需要に応じる最善手法を求めています。検討すべきオプションになりそうな点はいくつか提示されており、皆さんとの確かな協働によって導入を図る所存です。いくつも質問があるはずですので、この対話には法的な条件によりこの場で解凍できないものが含まれることを先に明言させてください。この作業に関心を寄せられ、考える時間をとってくださった皆さんに感謝申しあげ、ご意見、ご懸念、ご提案をお寄せくださりありがとうございました。

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Best regards,
Anti-Harassment Tools Team

Please use the talk page for discussions on the matter. For any issues concerning this release, please don't hesitate to contact Niharika Kohli, Product Manager – niharika wikimedia.org and cc Sandister Tei, Community Relations Specialist – stei wikimedia.org or leave a message on the talk page.

For more information or documentation on IP editing, masking and an overview of what has been done so far including community discussions, please see the links below.