到達主義
到達主義(英:eventualism)とは、ウィキペディアが長い時間をかけて到達する価値を重視する思想、立場。対立する概念として即座主義(英:Immediatism)がある。こちらはウィキペディアが即座にもつ価値を重視する。
- コミュニティ
- 反ウィキ
- 衝突駆動視点
- 似非コミュニティ
- ウィキ文化
- ウィキ心
- ウィキ過程
- The wiki way
- ウィキ進化論
- 権力構造
- ウィキ無政府主義
- ウィキ官僚主義
- ウィキ民主主義
- ウィキ民主政治
- ウィキ独裁主義
- ウィキ連邦主義
- ウィキ階級主義
- ウィキ実力主義
- ウィキ個人主義
- ウィキ寡頭主義
- ウィキ金権政治
- ウィキ共和主義
- ウィキ懐疑主義
- ウィキ技術政治
- 共同作業
- 反派閥主義
- 派閥主義
- 社交
- 外部百科主義
- 内外中庸百科主義
- メタ百科主義
- 全体的なコンテンツの構造
- 文書参照主義
- 反文書参照主義
- 分類主義
- 構造主義
- 百科事典の規格
- 削除主義
- 削包中庸主義
- 排除主義
- 包摂主義
- 明解主義
- Precision-Skeptics
- 情報価値
- 本質主義
- 漸進主義
- 記事の規模
- 統合主義
- 分割主義
- 正確さ水準
- 到達主義
- 即座主義
- その他
- 反超ウィキペディア主義
- メディアウィキ主義
- 新削除主義
- 超ウィキペディア主義
- 分散ウィキ主義
- ウィキ分離主義
- 転送主義
歴史的に、到達主義者がみるウィキペディアは次のようなものだった。ウィキペディアは現時点ではそれほど価値をもつものではない。複数年をかけて得られる価値のほうが大事なのだ。ウィキペディアが実用的になるほど、即座主義的なアプローチは支持者を増している。もしウィキペディアがその目標にそういったアプローチをし続ければ、即座主義が勝利をおさめるだろう。しかし今のところ考えを異にする立場であり対立したままである。
理屈からいえば、目標を完全に達成することは不可能である。なぜならその定義上、完璧なはずの百科事典は時とともに姿を変えるからだ(ラテン語の格言Tempora mutantur 時は移ろう)。ウィキペディアとはアイデアのエコロジーなのであって、長い時間をかけてその価値が高められると信じている、つまりプロセスに委ねることの意味を信じる到達主義者がいる一方で、ウィキの本質からすれば即座主義者たちが考えるような総合的な質を保証するためにすべき統制が実際には無益で、潜在的にはプロジェクトへ害をなす、と信じる到達主義者たちもいる。
排他主義者とのはっきりとした違いとして、到達主義者はウィキペディア的でないテクストのかたまりへの異議申し立てをしているわけではないということがあげられる。いま認識されているウィキペディアの専門性を損なうと即時主義や排他主義がとらえるような箇所も、いずれ誰かによって修正された状態に到達する、と到達主義者は信じている。
到達主義者は包摂主義にならってスタブやその他の低水準な記事を扱う。また、重要性が低いという理由で記事を削除しようとする削除主義者とも意見は一致する。削除主義とは違って、到達主義者はすぐに削除するよりも問題となった記事に発展し、改善するための時間を与えようとする。他方で、亡くなった一般人を扱った記事はあきらかにいつまでたっても亡くなった一般人を扱った記事だ。そのような記事が存在する百科辞典はない、と到達主義者は考えている。
到達主義は漸進主義とも重なる部分が大きいが、両者の似たような観点は異なる理由から導きだされたものだ。ウィキペディアの価値は、時間をかけ、実際には到達しえない完璧さへと前進するごとに増していくと到達主義がとらえる一方で、かつて特筆性がないと判断された情報がむしろ特筆に値するとみなされるようになることは避けられないと漸進主義は考える。とはいえ、到達主義者であり漸進主義者でもあるウィキペディアンはけして珍しくない。
大きく三つの到達主義者たちがいる。
- 絶対的到達主義者
- 削除依頼ページと方針文書は意地でも無視する。そして(ときには二度目、三度目の)間違いを犯すことがあっても、最終的にコミュニティは記事を適切に扱うと信じる。
- 楽観的到達主義者
- ときには方針文書を根拠にしたり、削除依頼ページでコメントをすることを試み、介入することもある。そうして正しい結果に到達するまでのプロセスを促進しようとする。
- 悲観的到達主義者
- ウィキペディアが到達するのはどこか間違ったところであると信じ、削除依頼ページなどに関わることは一切しない。
また、それぞれ急進穏健が分かれている。
- 穏健到達主義
- 記事を良い状態に保つことに価値があると考えているが、それがウィキの過程における有機的な成長を妨げるほどではない。
- 項目の削除は修復が不可能な場合もしくは修復が困難と見込んだ場合にのみ行うべきだ。
- 拙悪な文章や偏った文章は問題ではあるが、その項目が存在しなかった場合は単純に消すべきではない。
- 急進到達主義
- 自由で継続的な編集作業は、長期的には記事をより良いものにしていく。
- 荒らしだけが巻き戻され、編集者は誰でも何かを言いたいと思ったりしたことは尊重されるべきだ。
- 拙悪で偏った文章は後々修正される。リラックスすることを大切に。